・長野県知事選挙のバーター大臣

安倍新内閣が発足し、長野県からは若林氏が環境大臣として入閣しました。
長野県選出の環境大臣は、宮下創平、岩垂寿喜男、両元衆議院議員以来で三人目です。


若林氏の入閣は、組閣人事が発表されるだいぶ前から、参院枠として噂されていました。
さらに、長野県知事選挙で長男の若林健太氏が、立候補を見合わせる見返りとして、
首相官邸から大臣ポストが提供されたとの憶測が飛び交っていました。


若林健太氏が県知事選挙候補を辞退するまでの経緯は、オーマイニュースに詳しく掲載されています。
http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000001676


確かなことは、当事者のみが知ることですから、真実は闇の中ですが、
一般常識から類推すれば、息子の県知事候補辞退と父親の環境大臣ポストが、
バーター(物々交換)されたものだと思われても無理がない状況です。


若林氏の経歴・役職を見ても、地球環境との係わり合いは見えてきません。
参議院議員 自民党 若林正俊
僅かに、農林水産関連の役職についていたことがあるようですから、無縁とはいえませんが、
見識が深いとは到底考えられない。
いわゆる論功行賞として与えられた大臣ポストだと捉えた方が自然なような気がします。


ところで、環境大臣というポストは、重要なのだろうか?
歴代の環境大臣は↓で一覧できます。
環境大臣 - Wikipedia


歴代の顔ぶれを眺めていて、ちょっと気になったので試算してみました。
就任時の年齢です。
そして面白い傾向を発見。
過去20年間に、70歳を超えて環境大臣に就任した方は、すべて引退しているのです。


若林環境大臣も70歳を超えているので、このジンクスからすると退任後は引退するはずです。
他の大臣ポストをチェックしたわけではありませんが、少なくとも環境大臣に限ってみると、
高齢の代議士には餞(はなむけ)として、与えられる大臣ポストのようです。
それを裏付ける証言を、若林後援会副会長がしています。

年齢が年齢だけに大臣になって花道を、と期待していた。後援会としてもほっとしている


すると、次期参院選では若林正俊氏は引退して、長男の健太氏が地盤を引き継ぐことが予想されます。
父親の地盤が大臣の肩書きによってさらに強固になって、健太氏出馬の際には大いに役立つことでしょう。


長野県知事選挙が、こんな風に利用価値があるなんて、県民には想像がつきませんでしたね。

*1:二十六日発足した安倍内閣で、自民党参院議員の若林正俊氏(72)=長野選挙区選出、長野市=が、環境相として初入閣した。県選出国会議員としては、昨年の第三次小泉改造内閣文部科学相に就いた同党衆院議員小坂憲次氏に続いての入閣。このときも名前が取りざたされていた若林氏は「ここ数年、待望が高まっていた」と念願の入閣に喜びをかみしめた。 (遠藤康訓、中沢稔之)

 「ありがとうございます。光栄です」。午後二時五十五分、安倍首相からの電話にこう応えた若林氏。取り囲む記者団に「待つこと久し。ようやく大役を受ける立場になった」と感慨深げに話し「安倍首相が掲げる“美しい日本を作る”ことに最大限一体となって努力したい」と抱負を語った。

 首相官邸に移動して行われた就任会見では、安倍首相から環境と経済発展の両立というテーマを与えられたと述べ「人類の生存がかかった問題。地球環境の保全に積極的に取り組みたい」と言葉に力を込めた。

 一方、長野市の事務所では、環境相のポストが決まった瞬間、集まった支援者から一斉に拍手がわき起こり、祝いの電話も相次いだ。

 後援会副会長の窪田信一さんは「年齢が年齢だけに大臣になって花道を、と期待していた。後援会としてもほっとしている」。石田治一郎自民党県連幹事長は、来年の参院選にも「大きなプラス材料」との見解を示し、県議の立場からは「県と国との関係が(前県政によって)悪化しているときに、小坂さんに引き続き入閣したということは心強い限り」と話した。

 若林氏は東大法学部卒。一九五七年に農林水産省に入省し、構造改善局農政課長などを歴任。八三年の衆院選長野1区で初当選して政界入りした。衆院議員を通算三期務め、参院議員は現在二期目。これまでに総務政務次官や財務副大臣参院予算委員会筆頭理事などを務め、昨年十一月から参院党政策審議会長。