・ぜんそくとゴミ焼却場の関係

長野県教委の発表によると、ぜんそくにかかっている児童・生徒の数が
前年度に比べて増加している。


小中学生では4%以上の割合で増加しているが、
「原因は大気や環境の変化であることが考えられる」としている。


文部科学省による全国調査でも、ぜんそくを患っている幼稚園児や小中学生の割合が、
いずれも10年前と比べ2倍以上に増え、過去最高を更新したことが分かっている。


文科省は「ぜんそくだけでなくアレルギー性疾患全体が増加しているが、大気汚染や生活習慣など、
さまざまな影響が考えられ、原因特定は難しい」としている。
今回初めて調査したアトピー性皮膚炎の割合は最も高い幼稚園で3・8%。


上伊那広域連合のごみ焼却施設がある伊那市周辺の小学校で、ぜんそく疾患の児童数(H17年長野県教育委員会調べ)を比較してみると、割合が多い順に

小学校名 疾患者%
新山 6.45
伊那北 5.21
手良 3.31

ダイオキシン濃度の分布と相関関係にあると見られる。


一方、低い順に見ていくと、

小学校名 疾患者%
西春近北 0.00
西春近南 0.61
富県 0.68

富県を除いて、焼却場から離れたところで疾患者が少ない傾向がある。


その富県でも、アレルギー性皮膚疾患の児童数を比べると市内で最も多いことが分かっている。

小学校名 疾患者%
富県 7.48
伊那北 7.25
美篶 3.68
手良 3.31

上位はすべて焼却場からのダイオキシン被害が多い地域と一致している。


これらのことから、焼却場の設置場所周辺では、児童生徒によるぜんそくやアレルギー疾患の増加が懸念される。
設置場所の選定は、気流が拡散する地域で、なおかつ上伊那圏内を定期的に移動させることが必要であると考えられる。


ごみゼロの会などの、ごみ焼却場問題を考える市民活動が、
現状の焼却場隣接地に、新たな焼却場を建設する計画に反対していることは、
これらのデータからも裏付けられる。