・浅川以外もダムになるのか

 昨年12月の知事会見で、県が脱ダム宣言でダム建設を中止した河川のうち
長野市の浅川以外の治水対策について、村井知事は
「今後ダムを作ったほうが良いという判断になれば作る場合もある」と述べて、
浅川と同様ダムありからダム無しまで幅広く検討する考えを明らかにしている。


 前県政が県営ダム計画を中止した9河川のうち、浅川を除く8河川の対応について
「治水利水の観点から、やはりダムがあった方がいいという話になるなら、それは造ったっておかしい話じゃない」と述べ、
ダム建設を選択肢として排除しない考えを示した。


 知事は、田中前知事の「脱ダム」宣言について「一切ダムは駄目だとは読めない」と述べ、
浅川の治水対策について「ダムありからダムなしまで、すべてを選択肢に入れると言っている」とあらためて強調。
残る8河川についても「(議論の)前提として、地元の声と技術的な検証が必要」とした上で、
「それぞれ個々の問題として考えざるを得ない」と述べた。


 8河川のうち、県は砥川(諏訪郡下諏訪町)と上川(茅野市諏訪市)について、
将来はダム建設時と同等の「100年に一度」の大雨に耐える治水水準を目指しながら、
当面20年間は「50年に一度」の水準を達成する河川整備計画を立て、国交省の認可を得ている。


 ほかの6河川も、流域協議会などでダムに代わる治水・利水対策を検討中だ。
今さら脱ダムを取り下げて、ダム建設を推進するのは筋違い。
にもかかわらず、ダムに固執するのは、治水の観点からではなく「土木事業」として捉えているからとしか思えない。


村井知事のこれまでの言動からすると、選択肢の一つとして提示されたものは、
すでに決定していると見たほうが良い。
村井知事は、基本的に9河川すべてにダムを造る方策を考えているはずだ。


三人の秘書を採用した時の経緯を当てはめてみれば、村井氏を支持している県民でも理解できるだろう。