・再選を目指す市議の汚点

赤穂東小学校

 駒ヶ根市では一昨年、小学校用地を民間の宅地開発に提供する動きがありました。
本来ならば反対しなければならないはずの、教育委員会も支援に回っていました。
さらに、計画推進のために奔走していたのが駒ヶ根市議です。


 平成16年1月に、伊那市の建設業者が赤穂東小学校の門前にマンション建設を計画しました。
3月には着工の見込みで、高層マンションは児童生徒に悪影響があるとの観点から市は反対の姿勢を示しました。


 そこで、マンション阻止のために、市内の建設業者に代替策として宅地開発を計画させ、宅地への通路として小学校用地を提供する密約が結ばれました。
市議会で提案された学校用地市道化(市道にして宅地の通路に利用させる)についての答弁を紹介します。

 「昨年2月に伊那市の業者が3階建てマンションを建てる契約を完了して、手付金を支払った。3月に工事に着手する情報が寄せられた。
風致上良くないと言うことで地主が中沢の業者を訪ね宅地分譲の代替案を作り、急きょ3月の市議会で敷地の市道化を認定した。
緊急な場合で仕方なかったので、皆さんに説明しなかったのは反省する。市道の認定はしてもこの計画は凍結する。」

 市議会 平成17年3月定例会-03月16日教育次長


 学校用地の市道化に奔走した市議は、契約書や設計図を持ち歩いて、地元の説得に動いたとされています。

  • マンションはダメだが、宅地開発なら良い_伊那市の業者はダメだが、市内の業者なら良い。
  • マンションは児童の安全面から好ましくないが、戸建は児童の安全確保・学校周辺の景観・環境において好ましい。
  • 戸建開発は市道認定が前提なので、児童・学校のために妥当な処置だった。

わけの分からない理由をつけて、宅地開発のための市道としての通路を提供させた駒ヶ根市駒ヶ根市議。


 マンション計画が着工目前だったと住民に緊急性を訴えていましたが、

  • 着工に必要な確認申請の報告が県にない。
  • 開発に不可欠な農地転用許可申請が出されていない。

着工寸前にしては、前提条件がまったく整っていなかったことが分かっています。


 この問題は結局のところ、うやむやに処理されてしまいました。
教育を守るはずの教育委員会の一部が宅地開発を支援するために動いたことは、行政に対する市民の信頼を大きく損ないました。


 地元の市議しか関与が許されない状況を作り、地元の市議が宅地開発の必要性を住民に説得する。
行政と議会がグルになって、教育をないがしろにして、民間企業の事業活動を推進した事実は残っています。


 関係した「まちづくり推進部長」はすでに退職し、教育次長も本年度で退職します。
しかし、推進した市議はこのたびの市議選にも出馬します。
市民を欺いた責任を一身に背負って、市議選の審判を受けるべきだと思います。