・2007駒ヶ根市議選の考察

アルプスがふたつ映えるまち

 駒ヶ根市議選は、22日に投票が行われ即日開票の結果、現職一名の落選となった。
定数が21から15に減少し地縁で固められていた一部地域の票が浮いた形となったが、
現職議員の多くはこれらの浮動票をつかめずに苦労したことがうかがえます。


 2003年の市議選のデータと比較して、各候補の得票の傾向を考察します。


 当落のボーダーラインは投票総数の4%と、2003年の3%から1ポイント以上も上昇しました。
また、議席数当たりの投票数は、2003年に比べて31%増加したにもかかわらず、
現職議員で、この増加割合を超えたものは2名のみです。


 このうち、馬場氏は、地盤とする東伊那地区で、現職2名の引退による地元基礎票の増加を効率よく吸収した結果です。
得票が伸びなかった竹内氏は、公明党の組織票ですから、増減がないのは当然として、坂本氏も共産党票を手堅く維持したにとどまりました。
中沢地区を地盤とする坂井氏の票も変動がありません。


 議員定数減少によって浮いた票の多くは、一部の候補を除いて現職にはほとんど流れていないことが分かります。
さらに、2003年よりも大きく票を減らしたのが宮沢清高氏ですが、東小学校の敷地を民間建設業者に利益供与した行為の批判の現われでしょう。


 さて、落選した猿田氏ですが、2003年からの票の減少は宮沢清高氏についで多い。
前回市議選は、田中前知事の追い風に乗っての当選でしたが、今回は無風状態だったことが災いしたようです。


 全体的な傾向として、駒ヶ根市民は新人候補に市政の刷新を期待したと言えるでしょう。
逆に言えば、票を選らした坂井昌平・宮沢清高の両氏は、これまでの議員活動にかなりの批判があり、
得票の伸びが議席当たりの投票数の伸びの半分にも満たない塩澤崇氏と坂本裕彦氏にも市民の期待に応えていないことを意味しています。


 得票が伸びなかった現職議員は、選挙公約のどこに問題があったのか真摯に反省することが求められます。
大きく伸びた馬場宣子氏と木下力男氏、これに次ぐ伸びを見せた長谷部清人氏は、大きな期待を背負っての再選となりますので、
これまで以上に、精力的に議会活動に当たっていただきたい。


 さらに、新人議員の皆さんには、これまでの悪習を断ち切って、議員視察で観光旅行をしたりせずに、
一般質問を怠って議員年金目当てと揶揄された引退議員と同じ轍を踏まないように精進してもらいたい。




















当落氏名得票数得票率2003伸び率
当選中坪 宏明1,6679.0%
当選竹内 正寛1,5028.1%13967.6%
当選加治木 今1,4227.6%
当選菅沼 孝夫1,3847.4%
当選小林 敏夫1,3727.4%
当選馬場 宣子1,3717.4%80969.5%
当選坂井 昌平1,3717.4%1407-2.6%
当選宮澤 勝人1,2096.5%
当選木下 力男1,1476.2%80742.1%
当選塩沢 崇1,0155.5%90612.0%
当選坂本 裕彦1,0115.4%9555.9%
当選宮沢 清高9655.2%1051-8.2%
当選下平 順一8954.8%
当選長谷部清人8554.6%73316.6%
当選三原 一郄7744.2%
落選猿田 洋子6413.4%687-6.7%
 得票合計18,601100.0%19891-6.5%
 一名あたりの票数1240 94730.9%