・元気つくり支援金で温暖化が悪化

木材破砕機イメージ 破砕機.comより下諏訪町間伐材をチップにする木材破砕機を導入したそうです。

機械の購入資金は長野県の元気作り支援金が充てられている。

導入の理由は、

森林整備も進んでいるが、近年は間伐材の処理が新たな課題として浮上。
山間地で06年の7月豪雨災害のような水害が発生した場合、山林に放置される間伐材が流出して大きな被害につながりかねないことから、チップ化して肥料などに有効活用し、森林整備の促進と生活環境の改善も図ろうと破砕機の導入を決めた。
とされています。


長野県では、県民すべてに森林税を課しています。

森林整備のために広く浅く資金を徴収するというふれこみですが、本音のところは

「森林と名をつければ反対が少ないから、取りやすいところから増税してしまえ。」


森林整備の体制が整わないまま、資金の使われ方も未確定なのに、増税額だけが500円として一人歩きして、いつの間にか県に取られるようになってしまいました。

村井知事が山にたくさん作ろうとしているダムは、より多くの資金が必要なのに「ダム税」は新設しません。

ダム不要論が過熱するのが怖いからです。


さて、森林税やら元気つくり支援金やらで、間伐材がチップにされて畑の肥料になるのは、有効利用だと勘違いしている県の職員にアドバイスです。

長野県の温暖化防止県民計画では、間伐などの森林整備を適切に行うからと、森林によるCO2吸収量を過大に算出しています。

間伐した木材が内在する炭素は固定化されているとの仮定が基本になっているのですが、チップ化して肥料にしたらCO2の21倍の温室効果を発揮するメタンに変化してしまうからつじつまが合わなくなります。


分かりやすく言えば、間伐材をチップにして土壌にばら撒くと、木材が吸収した20倍の温室効果ガスを大気中に増やすことになるんです。

本末転倒なんですが、適切な間伐材の利用だと思い違いしているから多額の補助金が与えられてしまいます。

これでは、間伐すればするほど長野県の森林から温暖化が悪化することになります。

マイナス6%のCO2削減をほとんど森林吸収量に頼っている村井県政の温暖化防止策が、眉唾ものだということの一つの現れです。