・伊那市の密室主義でゴミ処理混迷

北アルプス広域連合の住民アンケート結果伊那市に建設が予定されているゴミ焼却施設は、用地選定で足踏みが続いている。

選定委員会が示した富県の桜井区、北新区にある天伯水源付近に地元が反発しているためだ。


施設を計画する上伊那広域連合では、住民説明会や懇談会を重ねて理解を求めているとするが、そのやり方は開かれた住民協働とはかけ離れている。

一例として、地区単位の説明会は、完全に外部に遮断された状態で行われる。

近隣地区の住民でさえ立ち入りを禁止する徹底した管理の下に置かれている。

地域間の情報の共有を極端に恐れ、孤立化を図る狙いがあるようだ。


また、懇談会に参加した人から聞いた話では、会場で広域連合の意に反する意見を発すると、後日になってお上の意向を受けた有力者たちからの「仕打ち」が待ち受けているのだそうです。

必ずしっぺ返しが来ると分かっているので本音を言える状況ではない。

広域連合や伊那市長が直接手を下しているとは思えませんが、何らかの示唆があって地元がその意を汲んで動いているようです。


行政が頑なな態度を取る背景には、最近相次いだ長野県内でのごみ焼却場建設計画の頓挫があると思います。

北アルプス広域連合が白馬村飯森への新ごみ焼却施設計画を断念しました。

上田地域広域連合は上田市東塩田地域での建設を断念しました。

次は上伊那だというのがもっぱらの噂です。


上伊那が他地区の轍は踏むまいと住民の締め付けに躍起になればなるほど、住民からの反発力が増して計画が暗礁に乗り上げることにつながります。

北アルプス広域連合が失敗した理由の一つが密室主義でした。

行政に都合の良い情報操作を狙った副作用が計画断念へと波及したようです。

住民アンケートで市民参加を演出する裏で、地域には捏造したニセ情報を流布していたというのです。


上伊那広域連合の密室地区懇談会で何が語られているのかは外部では知る由もありません。

間違ったことを行っても訂正を促すことができないばかりか、正しいことを言っていてもそれが外部に信用されません。

上伊那広域連合は自ら信頼を落としていることに気が付いていない。


「外部の目があると本音が話せないから」

外部を遮断する行政の言い訳に良く使われます。

実際は、地区の本音が外部に漏れると都合が悪いから、です。

マスコミを遮断しているあたりはまさにコレに該当します。


伊那市では、ごみ減量を目指す委員会が市民主体で始まるようです。

これまでの上伊那広域や伊那市のやり方だと、委員長にしたい人を公募のふりをして送り込み、都合よく選考会を構成して意中の委員長を作り上げるのが常套手段です。

本来なら、委員に任せて立候補を募り、互選で選出するのが民主的なやり方です。

事務局が口をはさんだり、筋書きを用意したりすることは許されない。

住民協働が踏みにじられている伊那市のごみ問題だからこそ、謙虚な対応が求められていると思います。