・哀れな上伊那広域連合の関係者

上伊那広域連合のゴミ焼却場建設予定地では、建設を急ぐ伊那市の闇の手が伸びている。

地元から入った情報によると、環境アセスメントへの同意を求める市と自治会の一部役員がつながっていて、早期の同意を強引に決めてしまったようだ。

重要課題にもかかわらず自治会の代議員会で決めたことも、住民を無視している。


自治会には重要な事項を決定する総会と、総会を開くほどの重要性がない日常の諸課題を決める代議員会がある。

代議員会には重要議題を議決する権利は与えられていない。

だが、伊那市の北新区では、代議員会で環境アセスの同意を決めてしまった。


これには裏があって、来期の自治組合の代表予定者がゴミ焼却場誘致に反対しているからだ。

今の役員で決めてしまわないと、長引くと見た為政者が強引な議決を促したと噂されている。

その後に開かれた総会では、代議員会による強引な議決に批判が噴出し紛糾したという。


もう一方の建設予定地である桜井区が全住民による投票を選択したのも、北新区が強引に代議員会で決定したことに危機感をもったことが影響しているらしい。

裏から延びた為政者の手が、こういった非民主的な住民自治を手引きしているとしたら、彼らが計画しているゴミ焼却施設そのものの正当性も疑わしい。

様々な検討も結局のところはポーズに過ぎず、出るごみを燃やすというお役人の安易な考え方が反映されたものになるだろう。


上伊那で燃やされているゴミのほとんどは資源として回収できるものだ。

焼却施設を小さくしようと思えば、その方向で検討すればいいのだが、小さくするつもりがないから、小さくするには困難が伴うとして初めから逃げ腰だ。

小さくするために何ができるかを探るのではなく、小さくするのは難しいからそれなりのものを作ってしまえというのは、当たり前のお役人の考え方だ。

広域連合長である伊那市長がリーダーシップを発揮して「ゴミ焼却場を可能な限り小さくせよ」と号令をかければ小さくするための検討に努力するだろう。


今の伊那市長は、ゴミ焼却場の建設が目的であって、規模を小さくすることには全く関心がない。

市長が関心をもたないことにお役人が力を発揮することは、ほとんどない。

もし、市長の意向に添わずともやるべきことをやり遂げるという意思表示をするお役人がいるとしたら、かなりの人物だ。

残念ながら上伊那広域連合にはそのような気骨者はいない。

伊那市長が、そんな人材を広域連合に送り込むはずがないからだ。


上伊那はゴミの排出量が全国的に見ても少ない方だ。

だが、さらに大幅に削減することも可能な地域だ。

関係者がその気になれば、全国のトップランナーと肩を並べることも不可能ではない。

その気にならなければ、同規模自治体並みの大きな焼却炉を作ることで落ち着く。


やる気を出せばできるのに、やろうとしない関係者は自責の念を感じないのだろうか。

可能性にチャレンジすることはお役所ではタブーなんだろう。

哀れだな・・・。