・太陽熱温水器の復権

集合住宅のバルコニー外側に設置された太陽熱利用システム=東京ガス提供太陽光発電ばかりに注目が集まるが、太陽熱のほうがメリットが大きいことが忘れ去られてしまっています。

この現状を打破しようと動き始めたのが東京都。

国は助成制度を事業仕分けしてしまうのだから、民主党はいただけない。

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「太陽熱」に日を当てたい 都、5千戸分の助成新設へ  
 太陽光発電に押され、日の当たらなくなった「太陽熱」を見直そうと、東京都は新年度から、新しい助成制度を設ける。新築マンションで給湯や床暖房に活用する試みで、5年間で5千戸分、20億円の予算を組む。

 都の新しい制度では、財源が限られていることから、助成対象を一度に大量の機器を導入する新築マンションに限定した。優れた技術やデザインを選び、これらの機器を設置する場合、1戸あたり約100万円の設置費用の半額〜4分の1をマンション開発業者に助成する。「メーカーにも使いやすい機器の開発を促して、太陽熱利用を広く普及させたい」という。

 日本で太陽エネルギーが注目されたのは、1979年の第2次石油ショックの後。太陽熱機器メーカーでつくるソーラーシステム振興協会によると、当時の太陽エネルギー利用といえば太陽熱利用の温水器が主流で、80年には設置数がピークの約83万台に達した。しかし、原油価格が下がるにつれて需要が減り、一部業者の強引な訪問販売が社会問題化したことが追い打ちをかけた。100社以上あったメーカーは現在十数社に。その結果、機器の修理や点検に十分対応できなくなり、業界のイメージ低下につながった。対照的に太陽光発電は大手メーカーが次々と参入して新商品を開発。電気は用途が広く、人気が高まった。

 都は2009〜10年度に太陽光と太陽熱機器の設置費助成制度を設けたが、申請は太陽光の約1万3600件に対し、太陽熱は約50分の1の約270件。国の助成制度は太陽光発電システムに限定したものがほとんどで、太陽熱利用機器への助成は昨年度から始まったものの、政府の「事業仕分け」で新年度の予算要求は見送られた。

 都は、同じエネルギー量を生み出すために必要なパネル面積も太陽光の3分の1〜4分の1で済み、設置費用も比較的安く済むという太陽熱の利点を強調。担当者は「太陽熱利用のメリットは大きく、注目されないのはもったいない。国が支援策をやらないなら都がやる」と意気込む。

 ソーラーシステム振興協会の広報担当者も「太陽熱を忘れ去られた存在にしたくない。都の新制度で新製品のPRにも弾みがつく」と話している。 =asahiドットコム 2011年1月6日 =

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エネルギー効率が太陽光発電の3倍から4倍もあるのに、軽く見られている。

新聞記事にもあるように、一部の業者の悪評が大きく影響しているのかもしれない。

長野県は、特に設置数が多かったはずだが、農協がずさんな対応をしたので廃れてしまった。


一時のブームで、雨後の竹の子のように『太陽熱』の業者が増えたことで、技術レベルが一気に下がってしまった。

暖かい地方ならまだしも、凍結が当たり前のように発生する寒冷地に適した施工能力を持たない業者が施工した太陽熱温水器は、次々と故障していった。

水抜き栓に排水パイプを接続して、屋根に上がらなくても装置内の水を抜けるようにしていないからです。


一流の施工技術を有する業者なら気象条件と機器の特性から適した設備設計を判断できても、農協のように「一定のマニュアルに従って工事する作業員」を使って受注を伸ばしたものは短命となって当たり前です。

以上は、屋根上のタンクに水を貯める、もっともシンプルな太陽熱温水器の話ですが、不凍液を循環させる上級機種になるともさらに技術レベルが求められます。

凍結しないからといって簡単にはならないんですね。


冬季の灯油消費量が温室効果ガス排出の主要因となっている長野県は、太陽熱温水器復権に率先して取り組む必要があります。

阿部知事のブレーンに使えるのがいれば、東京都の真似くらいはしてもらいたいです。

今日の太陽光発電量 19.9kwh

一日中の曇り空で発電量は伸びませんが、気温が低いので発電効率(発電量/傾斜面日射量)は高くなりました。