・【結露防止障子】 断湿化

断熱性が向上しても結露が止まるとは限らない。
熱を遮る建具が必ずしも湿気も同時に遮ってくれるとは限らないからです。
障子がその典型。

障子はきわめて優れた断熱性を持っていますが、障子紙は湿気を通すので障子の外側にある窓は、より結露しやすくなる。
この性質を理解していれば、結露を止めるには湿気を止めればいいということが導き出されます。
そこで断湿。

断湿と似て非なるものが気密です。
断湿の相手が湿気(水分)であるのに対して、気密の対象は空気です。
湿気は空気に含まれているので気密性を上げれば断湿するのですが、気密に目を向けすぎると無用な神経を使うことになります。

ざっくばらんに言えば、高気密でなくても窓が結露しない程度まで湿気を抑えてくれればいいんです。
強い風が吹いて室内外の気圧差が生じたときには多少の空気の移動があってもいい。
連続して湿気が透過しなければいいのですから。

前置きが長くなりましたが、断湿にお勧めしているのが中空のポリカーボネート(略して中空ポリカ)。
障子の框(枠)の内側にすっぽりと「はめ込む」だけでいい。
中空ポリカはカッターで簡単に切断できるので、かなり精度の高い加工が可能です。

隙間ができてしまっても大量の湿気が流入することはありませんが、隙間が大きいようなら細めの隙間テープで目張りします。
脱落防止にもなります。

中空ポリカで断湿すると断熱性も向上します。
Low-Eのペアガラスと組み合わせると断熱性能を示す熱貫流率は1.3(W/m2・K)
窓としては文句のつけようのない性能です。