・田中前長野知事だけの新党日本へ

長野県の前知事、田中康夫氏が党首を務める新党日本では、荒井広幸参院議員と滝実衆院議が離党を表明しました。

両氏は田中代表の党運営に不満の意を示し、5日の役員会で同党を解党するよう求めたものの同代表に拒否されたため、一方的に「解党」を宣言して退席しましたが、解党宣言は参院選後の与党との連携を視野に入れたものとみられています。


田中氏はこの後、党本部で記者会見し、「解党は有権者への冒涜で受け入れられない」と述べ、両氏の対応を批判したうえで離党届も受け取っていないとした。

また、参院選比例区議席獲得を目指す方針は「いささかの揺るぎもない」と述べている。


荒井氏、滝氏も国会内で記者会見し、荒井氏は自民党復党について、「今のところない」とする一方で、「将来について今の段階で発言できる状況にはない」と含みも持たせた。


二人の離党による直接の影響は、政党助成金でしょう。

新党日本が2006年に受けていた政党助成金は一億6千万円だが、これがゼロになってしまうからです。


参院選で最低一人が当選し、さらに有効投票数の2%を獲得すれば政党助成金の受給資格が得られますが、世論調査では比例代表新党日本に投票するとの答えは0.3%にとどまっている状況からすると、あり得ない。


新党日本は平成17年9月、郵政民営化に反対した「造反組」議員を中心に結成された、いわば掃き溜め政党でした。

結党時にいた3名の衆院議員は、小林興起氏と青山丘氏が国民新党へ移籍し同党から参院選比例区出馬。
滝実氏は離党して今後無所属へ。


参議院議員は、荒井広幸が離党して今後無所属へ。
途中で国民新党から移籍してきた長谷川憲正にいたっては、国民新党へ再移籍しています。


彼らは郵政民営化への反乱で自民党を追い出されましたが、政治家の質としては根っからの自民党ですから、田中康夫氏と行動を共にすることは初めから無理がありました。

新党日本の評価が低かったのは、これら元自民党のごみ議員の掃き溜めだったからですが、ごみが排出されたことで、政党として本来の姿を目指せるのではないかと思います。