・保守層が共産党に流れるという奇怪

共産党が次期衆院選に向けて保守層の取り込みに期待を強めているという。

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戦前の労働者の悲惨な実態を描いた小説「蟹工船」ブームに象徴される追い風を受ける中、全国各地での集会に農協、医師会関係者らの参加が増えているといい、得票にどう結び付けるか腐心していると党の実情が報じられた。

 「共産党と一線を画していた方々が、壁を取り払っている。思い切って視野を広げてわたしたちの声を届けたい」。志位和夫委員長は23日の記者会見で、保守層への浸透に努める考えを示した。

共産党は昨年秋以降、「綱領を語る集会」を各地で開催し、志位氏ら党幹部の演説会を含めると、参加者は計80万人に達した。

同党によると、医師会メンバーや農協職員、保守系の首長、市町村議などこれまでは共産党とは縁遠かった人の参加が目に付くようになった。


関東や中部地方の集会では、地元の医師会幹部が登壇して共産党への「期待」を表明。東北地方の支部には、医者から「後期医療制度を廃止したいなら共産党に投票したらいい」と勧められたという患者の声も届いたという。

志位氏のもとにも、企業経営者らから「派遣労働を放っておいたら、企業も先行きがない」といった意見が寄せられているという。

ただ、自民、民主両党が政権を懸けて激突する衆院選で、共産党が存在感を示すのは容易ではない。「草の根の力を総発揮できるかにかかっている」。志位氏は組織の引き締めにも余念がない。 =時事通信社 10/26=

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にわかには理解しがたい。

保守系の団体が自民党から離れるのはわかるが、それがどうして共産党に流れるのか。

政権与党には絶対になりえない共産党に期待するのは、政府への牽制役。


共産党に近づいた保守層の本当の狙いは、保守離れの実情を探るためだったのではないかと思う。

保守と対極にある共産党の集会の様子を見れば、自分たちが自民党から離れるにあたって気に留めておかなければならない世俗に気がつく。

自民党の政治しか知らない彼らの『社会学』の場として活用されているのではないだろうか。


医師会メンバーや農協職員、保守系の首長、市町村議などには、これまでの不勉強を反省して、支持政党の違いにかかわらずに公平に市民に接するよう努力してもらいたい。