・リニアを迂回させると1兆円

走行テストを行うリニアモーターカー=山梨県のリニア実験センターで 毎日新聞JR東海の「リニア中央新幹線」整備計画で、JR東海松本正之社長が26日、村井仁知事を訪ねました。

国土交通省から着工の前提となる輸送需要など4項目調査の指示を受けたことを報告し、ルートや中間駅などについて地元調整に対する協力を求めたという。

長野県の一部がごり押しする迂回ルートと、日本全国で当たり前とする直線ルートのせめぎあいが始まりました。


時を同じくして、JR東海葛西敬之会長は26日、日本記者クラブで講演し、同社が東京−名古屋間で2025年の開業を目指すリニア中央新幹線について、中間駅は沿線の各県に1駅ずつ設けることが適当との考えを明らかにしました。

中間駅があると所要時間が1駅あたり5分増え、東京−名古屋が直行の最短40分に対し、1時間に延びるという。

これについて同会長は、「2系統の列車を考えることも可能だ」と述べ、直行と各駅停車の両方を運転すればよいとした。


東京-山梨-長野-岐阜-愛知の五都県に駅が設置されることになる。

東京駅と名古屋駅(愛知)は、始発と終着だから当然として、途中駅の位置が問題となるでしょう。

長野県も一駅となれば県内が大騒動になるのは必然です。


常識的に考えれば飯田駅が順当ですが、上伊那の利権集団が黙っているとは思えません。

諏訪にも伊那にも駅が欲しいと我がままを言い放題の彼らですから、所要時間の遅れなどはお構いなしで駅の設置に向けてあらゆる行動を起こすと思われます。

しかし、駅の設置は地元負担が原則です。


迂回ルートを主張すれば直線ルートに比べて50−60キロは伸び、1兆円近く増える工事費の負担も求められるかもしれない。

200億〜300億円とされる駅の建設を三駅もやってしまったら、長野県の負担は最大で1兆1000億円。

自治体の財政が逼迫している今、県が抱える借金(1兆6000億円)に匹敵する新たな出費に応えられるわけがない。


上伊那でリニアを迂回させようとしているバカな人たちは、自分たちの儲け話にばかり眼が行っていて、社会負担には知らん振り。

良識ある上伊那住民は、無駄な出費を強いられて利権集団だけが得をする迂回ルートの誘いに乗せられないようにしましょう。

長野県民全員が一人当たり50万円を負担して、上伊那に駅を作る価値があると思いますか?