・宮下一郎の援軍に自衛隊が行進

伊那市内を軍隊が行進する予定なのをご存じだろうか。

明後日5日、陸上自衛隊松本駐屯地第13普通科連隊が伊那市で小銃(実弾なし)を携行して20キロ前後の徒歩行進訓練を行う。


朝8時に同市長谷の美和ダムを出発し、国道152号線で市内へ向う。

三峰川にかかる高遠大橋は渡らずに左岸の堤防沿いに自転車道路を東進する。

竜東橋を渡って再び国道152号線に出て、伊那市役所を目指す。

約15キロの行程と予想される。


予定路には高遠小学校や高遠高校があり、校舎の窓から軍隊の行進を眺めることになるかもしれない。

校庭の脇を通り抜ける銃を所持した軍人を目の当たりにするかもしれない。

子供たちの目につくことを狙った時間帯だ。


松本市でも行軍が予定されており、市民団体が中止を申し入れているが、強行されるようだ。

同市は「松本駐屯地には住民への訓練実施の周知や通学時間を避けて行うよう申し入れをしてる。」とのことだが、伊那市ではそのような申し入れはしない意向だ。

住民は不意を突かれて、びっくりするに違いない。

伊那市が住民への周知を怠り、通学時間帯にもかかわらず静観するにはわけがあるはずだ。


その理由を紐解くカギは前日にある。

4日には自民党の森元総理が宮下一郎の応援に伊那市(かんてんぱぱ)にやってくる。

翌日に自衛隊の存在を誇示する狙いは、一郎の父「宮下創平」の権威を地元住民に再認識させるところにある。


行軍に使われる道は通称「創平道路」と呼ばれている。

宮下創平の威光を地元住民の脳裏に焼き付ける狙いがあるのは明らかだ。

防衛庁長官がつくらせた道路を自衛隊が行進すれば、一郎の父、宮下創平の偉大さが何倍もの大きさを持って地域社会に意識づけられる。


宮下一郎選挙対策は、自衛隊をも選挙の演出に利用できるのだからすごい。

民主党加藤学の戦う相手は、小者の宮下一郎ではなく、長野県自民党の歴史に名が刻みつけられた「宮下創平」に変わったとみていい。

逆の見方をすると、「父は偉大だったが」と息子のひ弱さが浮き立つ危険性もある。