・原子力を安く見せかける

原子力を安価なエネルギーに見せかけるために、国が悪知恵を働かせている。
半永久的に放射性廃棄物を管理する費用が無視されている。
この費用は天文学的に積み上がるはずだ。

原発の稼動期間の40年で、今後数百年分の管理費用を割ったらいくらになるのだろう。
専門家なら、こうしたところに頭を使え!
原子力はもっとも高価なエネルギーとなるはずだ。

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原発コスト5割増、なおLNG並み 新エネ計画へ政府試算  =日本経済新聞 2011/12/6=

太陽光は20年で半減

 政府のエネルギー・環境会議が電源別の発電コストを試算する「コスト検証報告」の原案が5日、明らかになった。原子力は事故費用などを加味し、1キロワット時あたり最低でも8.9円と2004年の試算に比べ約5割高くなったが、なお液化天然ガス(LNG)並み。太陽光は30年までにほぼ半減するものの、割高は変わらない。新試算を踏まえ、政府は最適な電源の組み合わせを示す「ベストミックス」を柱とする新たなエネルギー基本計画を来夏までにまとめる。



 電源別の発電コストの試算は、政府がエネルギー政策を見直すうえでの土台となる。これまで再生エネも含めた統一基準による試算はなく、コスト比較が難しかった。

 試算は主力の発電方式である火力、原子力ともに大幅なコスト上昇を見込む結果となった。将来の電気料金の引き上げは不可避との見方もある。

 東京電力福島第1原子力発電所の事故を踏まえた原発のコストは、東電に関する経営・財務調査委員会報告に基づき、損害賠償など事故費用を約5兆8000億円と仮定。11月に原子力委員会が示したコストより除染費用などで約1兆円上積みした。最低コストの8.9円は依然、火力や再生可能エネルギーに比べて割安となっている。

 ただ、試算は除染費用の一部や放射性物質の中間貯蔵施設の建設費などは含んでいない。事故に伴う廃炉費用も未確定。このため8.9円は「あくまでも下限」で、費用が1兆円増えるごとに1キロワット時あたり0.09円コスト増になるとした。事故費用を20兆円とした場合の原発の発電コストは10.2円となる。

 火力の発電コストの試算は30年に石炭が10.8円、LNGは11.0円。電力需要の拡大時に使う石油は30年に38.9円で04年試算からほぼ倍増。国際機関による燃料費の高騰予想を加味したためだ。環境税など地球温暖化対策経費も含めた。

 原子力代替エネルギーと期待される風力、太陽光などの再生エネのコストは20年で最大5割減少する。大量生産や技術改良によるコスト低減を見込んだ。

 30年までにコスト減を見込む再生エネも10年の足元の試算では依然、高コスト。普及には時間がかかりそうだ。

 エネ・環会議のコスト等検証委員会は年末までに最終試算をまとめ、公表する。今後は経済産業省総合資源エネルギー調査会が中心となり、ベストミックスの見直し論議を本格化する。