・環境問題よりも営利が優先する伊那市

伊那市水度事業経営安定に向け新料金体系示す いなまい・ドットコム

地方自治体の行政施策の一つのとして見過ごされそうなニュースですが、かなり根が深いところにあります。

一つには、節水意識の高まりで公設水道の使用量が減少したために、需要を高めるために料金体系を見直したところです。
コストカットが目的で節水に励んでいるというなら理解できますが、多くの節水実行者は省エネの一環と意識しているはずです。
水道水は主に電力をエネルギー源として浄水されています。
(一立方メートル当たり0.5kwh程度)

一方で、水道の大口需要家の多くは節水のために地下水をくみ上げている。
くみ上げた地下水に相当する水量を涵養しているなら問題はないが、多くの需要家は使うだけで還元はしない。

アメリカの大規模農場で使われる灌がい水のために、地下水が枯渇に直面している事例は対岸の問題として眺めているわけにはいきません。

日本人は水問題に対して意識が低いようですが、日本は国土が狭く、人口が多いため、一人当たりの降水量にすると 5,000m3であり、世界平均の16,800m3のわずか1/3しかありません。
急峻な地形なので海にすぐに流れ出してしまうから実態はさらに厳しい。

先の伊那市の水道問題は、地下水の使用量を減らし、水道事業も縮小することが本来の進むべき道だと思うのです。