・環境責任を放棄 3

  • 1990年からのCO2の増加=29.2%
  • 削減目標からのCO2の増加=37.5%
  • 必要削減量=78,454t-CO2


長野県全体では、1990年から21.5%増加しているようです。
駒ヶ根よりも8ポイントほど少ないのですが、それでもかなりがんばってやらないと削減できない値です。
そこで、県では長野県地球温暖化防止県民計画を策定して積極的な対策に乗り出そうとしています。


一方、駒ヶ根はどうでしょうか。


今回策定されたのは「新エネルギービジョン」ですから省エネは一切含まれていません。
報告書の表紙には、

新エネルギーの導入は排出量削減に対して一定の効果を有することが明らかになりました。

とあるのですが、実際のところはというと。


現在の駒ヶ根市が排出している二酸化炭素を新エネルギーの導入でどれだけ減らせるか。

  • 2005年のCO2排出量=287,688t-CO2
  • 新エネルギーによる削減量=15,614t-CO2

15,614÷287,688=5.4%
わずか5%だけです。


言い換えれば、駒ヶ根市で自給できるエネルギーの見込みは5%で、
残りの95%は他から供給してもらわないと成り立たないわけです。
かなり絶望的なはずなのですが、駒ヶ根流に市民に伝えると一定の効果を有するとなってしまいます。


どこが?と思われるでしょうが、報告書の言い方は削減量と比較することで、
15,614÷78,454=20%
すなわち、必要削減量の2割に寄与するから「一定の効果を有する」のだそうです。


では残りの8割はどうするの?と聞きたくなるのですが、
これには何の対策もありません。
もっとひどいことに、この新エネルギービジョンを達成するために、
駒ヶ根市が率先して何か有効な手を打つのかというと、答えはNOです。


つづく。