・村井知事の常識は非常識

9月28日から、長野県議会の9月定例会日程が開会します。
本格的な村井県政の幕開けを迎えることになります。


村井知事の所信表明があると思われますが、知事の言葉を理解するためには、
あらかじめ考え方を知っておく必要があります。

産経新聞の村井知事インタビュー

9月20日に産経新聞とのインタビューに答えた内容から、村井知事の考える常識をみていきましょう。

  • 来年度は新規県債発行を増やすことになるか
真水(十分な税収などに相当)がない以上は、県の負担分の調達には県債発行しかない。資産形成のために借金するのはおかしなことではない。ちゃんとした家を建てるために住宅ローンを組むのは悪くない。稼ぐポテンシャル(潜在力)があればいい。経済刺激にもなる

ちゃんとした家の定義が問題なんだと思います。


就任時の記者会見で、豪奢な庁舎を建てた村井氏の選挙区にある村役場庁舎に触れて、
「大変立派な庁舎ができましたが、住民から『あんなもの合併するのに無駄な建物を造って』と
批判されているので、うんと褒めておきました。」質素だと地震でつぶれるからダメだと言って。


合併で不要になるのに贅沢な建物を建てたことが批判の的であるにもかかわらず、
耐震性の高い建物を作るのは大事なことだ_とまったく咬みあわない。
「公共建築物を贅沢だとか考えるのは間違いで、地域の皆さんの共有物だと考えなければならない。」
贅沢で無駄な共有物は「ちゃんとした家」じゃないですよ。
そんなもののためにローン組んで、子どもに押し付けるのは親として失格でしょう。

  • 借金は増える
県が巨額の資金を投じた長野新幹線のような資産は、あとの世代も利用する。後代に借金は残るかもしれないが、使われる資産を残せば、それは帳消しになるので、世代を超えて負担をしてもらえばよい。

新幹線を使えない県民には負担の義務がないといっているようにも聞こえます。
公共の利益の理解がものすごく限定されていて、それも自分の利益=公共の利益と
解釈することが当然だとお考えのようです。


新幹線に巨費を投じるのならば、他の地域にも同等の資本投下をして、
公共交通機関の整備をするべきだと思うのだが、その部分がそっくり欠落していることに、
まったく考えが及ばないのでしょう。


つづく。

SM新聞は村井知事の擁護記事ばかり

この産経新聞のインタビューを見れば、村井知事の考えがストレートに伝わってくる。
良くも悪くも、知事を理解するのに役立つ。
ところが、SM新聞は村井知事を善人に仕立て上げることに熱心で、真実を伝えようとしないから困ったものだ。


塩尻市長選挙の結果報道にも、SM新聞の村井知事への配慮が色濃く滲んでいる。

  • 知事選の対決構図が、今市長選の構図には当てはまらなかったことを示した

出口調査の結果を分析した記事のまとめであるが、村井知事の求心力低下を恐れて、
事実を歪曲して伝えた操作された内容です。


事実を伝えていないことは一目で分かります。
「支持した理由は?」の見出しがついた分布グラフには、県政との関係の項目がある。
青柳氏に投票した有権者の90%が県政との関係を期待していたことを示しています。
一方の小口氏は、20%台。


村井県政とのパイプを期待して青柳氏に投票したことがはっきりしています。
裏返せば、塩尻市民は村井知事との関係を拒絶したと考えた方が順当です。
細かな記事にまで、村井知事への配慮を欠かさないSM新聞の編集部の心配りはすごい。
率先してやっているのか、村井知事側から検閲が入っているのか判りませんが、
県民の知りたい情報が正確に伝わらない状況であることには変わりがない。