・補助金には負担が付き物

田中康夫前知事時代に国からの補助金事業が激減した−。
村井仁知事はそんなデータを先月24日の定例会見で明らかにした。


県土木部所管の公共事業を抽出して計算したもので、
今年度までの6年間に県が得た補助金を全国合計の推移と比較すると、
事業費ベース(県負担分を含む、国負担は5割が基本)で、
計417億円余りの補助金が「少なかった」計算になる、としている。


知事は選挙活動時から、厳しい財政下での産業振興のため、
「田中前知事が減らしてきた」国の補助金を積極的に活用する考えを表明。
このため、一部の記者が前回17日の定例会見で、発言の根拠を示すよう求めていた。


土木政策課によると、田中前知事が就任した12年度の国庫補助事業費の全国合計と、
県への補助金の割り当て分(当初予算)をそれぞれ1.00として伸び率を出すと、
今年度の道路事業は国が0.75となったのに対し、県では0.61。
同様に河川・ダム事業では全国が0.53で県が0.28、
砂防事業では全国が0.55で県が0.39となり、
いずれも県内では全国を大幅に上回るペースで、補助金事業が減っていたことが分かった。


この割合を年度別に出し、全国並みに県の伸び率が推移していたと想定して
13−18年度の差額の合計を計算すると、道路事業では167億9千万円、
河川・ダム事業では108億2千万円、砂防事業では141億3千万円になるとしている。


しかし、417億円の補助金がもらえなかったから損をしたのかというと、そんなことはない。
国の負担は5割が基本とすれば、417÷2=208億円の県負担を削減していたことになる。


必要不可欠な事業であって、県の財政状況からして採用が妥当と考えられるなら「損」をしていたことになるが、
財政赤字が深刻で公債費比率や起債制限比率が全国トップクラスという厳しい長野県の財政状況からすれば
208億円の不要不急な支出を削減した妥当な処置であったと考えられる。


村井知事が他県並に国の補助事業を取り入れようとすれば、
確実に赤字が拡大するのは普通の頭脳を持っていれば理解できる。
村井知事が理解できないのは、普通の頭脳を持たない、言い換えれば
「異常な頭脳の持ち主」だと言うことになる。


国の補助事業を削減して、損をしたのか得をしたのか。
無理な借金をして家を建てても、子に資産を残す価値があるとする村井知事。
ローンが払えずに我が家を手放す、「無理な借金」をした家庭が後を絶たない現実を知らないのでしょう。

村井知事の金銭感覚のなさには、ほとほと呆れています。