・変わって良いものと悪いもの

信濃毎日新聞の3面に支援金・交付金の「廃止」と「復活」の記事が並んでいる。
それによると、コモンズ支援金が改善されるらしい。
あえて「改善」と言うには訳がある。

変わってよいもの「コモンズ支援金全県枠の廃止」

以前、コモンズ支援金に、ある事業の提案で申請したことがある。
今回廃止が決まった「全県枠」を対象にした事業だった。
申請書の提出の後で、上伊那地方事務所にてプレゼンテーションを行ったが
「すばらしいプレゼンテーションでした」とわざわざ褒めていただいた。


かなりの好感触で担当者レベルでは、事業内容、波及効果ともに文句なし。
残すは県庁での審査のみ。
ところが、県庁の審査で想定外の低評価が下された。
効果に疑問があるので、事業規模を縮小しないと通らないと言われた。


どうやら、県庁では地方事務所の担当者が再度プレゼンテーションをしているらしい。
どうして申請者でないものがプレゼンテーションするのか疑問だが、そういう仕組みになっていた。
門外漢が代理でプレゼンテーションするのだから事業の真意が伝わらない可能性が大きい。


結局、事業規模を縮小しなかったからか、申請は却下された。
もし、地域枠で申請していれば、何の支障もなく採択された事業が、
全県枠のおかしな仕組みの影響で、提案は廃案となってしまった。


前県政が良くて今の県政が悪いとは限らない。
田中前知事がやっていた事業でも悪いものは少なくなかったはずだ。
その一つがコモンズ支援金の全県枠の審査方法だったのだから変わって良かった。

変わって悪いもの「直江津港整備交付金の復活」

ところが、直江津港を利用する企業や県民が多いからと新潟県直江津市に提供していたが
廃止されていた「直江津港整備交付金」が復活するのはおかしい。


自民党県連の石田治一郎幹事長(県議)に要望されて村井知事は
「ご近所の付き合いぐらいはするべきだ」
と、見直す考えを示した。


なぜ、直江津港だけなのか?
長野県民や企業が頻繁に利用する他県の交通機関は他にいくらでもある。
長野新幹線の発着に東京駅を使うだろう。
飛行機の利用では名古屋空港中部国際空港が多いだろう。


物流の基点が圧倒的に直江津港だという説得力ある理由付けがあるとは思えない。
一部の村井知事を支援する企業が直江津港を頻繁に利用するのではないかと勘ぐりたくなる。
特定の企業の近所付き合いの費用に、廃止したはずの交付金の復活は許されない。