・タミフル_10代未満でも精神症状

 インフルエンザ治療薬「タミフル」を服用した10代の男女が
転落などの異常行動で死亡するケースが相次いでいる問題で、
10歳未満でも服用後に異常行動を含む精神、神経症状を起こしたとの報告が、
2004年4月から05年末までの約2年間に計23件あることが判明しました。
これらの中に転落事例はなかったもようです。


 タミフル販売元の中外製薬から厚労省所管の独立行政法人医薬品医療機器総合機構」(東京)への報告によると、
タミフルを服用した10歳未満の精神、神経症状が04年4月以降の1年間に9件、05年4月から同年末までに14件。
死亡例の報告はなかったようです。06年以降分は同機構が集計中。


 計23件の男女別の内訳は、不明1件を除き、男児が14件、女児が8件。
具体的には

  • 「幻視」
  • 「譫妄(せんもう)=精神的興奮を伴う意識の混濁」
  • 「幻覚」
  • 「意識レベルの低下」「けいれん」

などで、うち05年には異常行動の報告が2件あった。
中外製薬によると、内容は「足をばたばたさせる」と「歩き回る」で転落ではなかったと報じられています。


 厚労省は異常行動による10代男女の死亡例が相次いだのを受け、今年2月末にインフルエンザにかかった子供を1人にしないよう注意喚起していました。


 しかし、その後も異常行動でけがをした10代男子のケースが報告されたことから、10代へのタミフル投与の原則中止を決定。同省は、

体格が大きく、親が近くにいても異常行動を止められない恐れがある10代は中止とする一方、10歳未満はインフルエンザで死亡する危険性が高いため対象から外した

としています。


 10歳未満での異常行動を含む精神、神経症状について、厚労省は、

ほかの(10代などの)報告と同様にあらためて詳しく調べる。タミフルを処方するかどうかは慎重に判断するとともに、処方された子供を2日間は1人にしないよう注意してほしい

と強調しているので、処方されたら厳重な監視が欠かせませんね。