・ヤマウラのエスバイエル売上水増し

ヤマウラ エス・バイ・エル モデルハウス

 駒ヶ根市に本社があるヤマウラの手掛ける、中堅住宅メーカーのエス・バイ・エルが、建設中の戸建て住宅をあたかも完成したかのように装い、売上高と利益を決算期をまたいで前倒し計上していたことが15日に社内調査で明らかになった。

03、04年度に計6戸あることが発覚し、同社は対象を広げて再調査しており、不適切な会計処理をしていた物件数は大幅に増える見通しだ。


 朝日新聞社が、前倒し計上を示唆する内部文書などをもとに4月下旬、同社に疑惑を指摘。

エス社は当時の計97戸について、担当者に聞き取り調査し、契約書類などを確認した。

その結果、本来は05年度に計上するべき物件を04年度に前倒ししたり、03年度下期にするべきなのを同年度上期に計上したりした物件が計6戸あった。

売上高で約1億2000万円分になる。


 販売計画を達成するため、水増しを図ったとみられる。

外まわりを完成させ、洗面所や玄関まわりは未完成のまま、顧客への引き渡し手続きを書類だけで済ませていた例があった。

「1支店で年10戸以上の前倒しがあった」(同社関係者)との指摘もある。


 同社から報告を受けた新日本監査法人は、02年度下半期〜06年度上半期に計上した3500戸すべての調査を、エス社に指示した。

 同社はバブル崩壊後、戸数を稼げる中所得者層向けで苦戦。受注の減少傾向が続いていた。

沢井幹人・取締役管理本部長は「事態を重く受け止めている。ノルマを達成しようと(前倒し)したようだ。結果がまとまり次第、東証などに報告する」としている。

 当時の経営陣の関与については「支店単位のことで、経営陣の指示はなかった」としている。


 エス・バイ・エルは、主に首都圏や関西圏で木造プレハブ住宅の設計・建築などを手がける。

受注の低迷などで04年度連結決算から2年連続で当期赤字。

05年度の売上高は825億円(前期比5.7%減)で、経常赤字は15億円、当期赤字は329億円。


 住宅建設では悪い噂に事欠かないヤマウラですから、粉飾決算エス・バイ・エルを手掛けているのもうなずけます。

住宅は一生に一度の買い物ですから、展示場や営業マンの口車にごまかされずに、まともな業者にお願いするように心がけてもらいたいですね。