・東御市青少年条例で淫行規定

平成19年6月東御市議会第2回定例会

東御市が、18歳未満の青少年に対する「みだらな性行為」を罰則付きで禁じる、いわゆる「淫行(いんこう)処罰規定」を盛り込んだ青少年条例を提案したことが波紋を広げています。

運用次第では、個人の交際関係に踏み込みかねない懸念も指摘されており、県内ではこれまで例がないそうです。


条例案は「何人も、青少年に対してみだらな性行為又(また)はわいせつな行為をしてはならない」「何人も、青少年に対して前項の行為を教え、又は見せてはならない」と規定されています。

買春のように金銭のやりとりがなくとも、幅広く取り締まりの対象となり得て、。違反者には30万円以下の罰金を科すとしていますが、18歳未満には罰則を適用しない。


 「みだら」と見なす行為について、市教委は「未成熟な青少年を対象に性的欲望を満足させる行為」としているが、基準はあいまいなまま。

また、「何人も」については「18歳以上を指す」としているが、条例には明記されていない。


条例の趣旨は理解できなくもないが、運用次第ではとんでもないことになりかねない、多くの問題を抱えた条例です。


一例として、18歳未満同士のみだらな行為は処罰されないが、一方が18歳以上だと処罰されてしまう点があまりにもちぐはぐ。

また、結婚を前提とした場合は除外されるようだが、前提の定義はあまりにもあいまいで、しっかりと運用できるとは思えません。


恋愛が最高潮の時には、「結婚が前提」だと感じても、冷めてきて別れがトラブルになったりすれば、「淫行だった!」と訴えられる可能性だってある。


個人の性生活に地方の条例が踏み入るには、慎重な論議が不可欠です。

一部の大人ぶった政治屋の狭い了見で「モラル」を既定したのでは、トラブルを誘発する副作用の方が大きくなってしまいます。


娘を持つ親としては、注目したい条例です。