・悪人を法律をつくって守る

 国会議員の事務所費のずさんな支出処理など「政治とカネ」の問題が参院選の大きな争点になっていますが、追求の根拠となる政治資金収支報告書参院選後の9月まで隠蔽されています。


昨年分の政治資金収支報告書は九月まで公開されないことに、昨年十二月の法改正で規定されたからです。

訴訟を起こしている市民団体は「直近の資料が公表されないのでは、選挙の判断材料にならない」と批判しています。


政党や政治団体は毎年三月末までに、前年分の政治資金収支報告書を提出し、総務大臣都道府県選管は九月に要旨を公表することになっている。

 これまでも「政治資金オンブズマン」(大阪市)が情報公開請求したところ、総務省は公表前であることを理由に開示を拒否してきたけいいがありますが、同団体が一昨年と昨年、開示を求める訴訟を起こしたところ、いずれも情報公開法の趣旨から一審で原告が勝訴していました。


 ところが昨年十二月、政治資金規正法が改正され「九月の要旨公表前に開示請求があっても開示決定をしない」と規定してしまった。

このため、国は「法にのっとって」開示を拒否することができるようになった。


情報開示の流れに逆行する政治資金規正法の改正は、参院選での影響を最小限に抑えるための自民党の策略だったと思います。

法律を作って悪行を隠すことは、立法の権威を地に落とす行為です。