・新しい信濃の国の多難な前途

長野県下に地方政治組織として産声を上げた「新しい信濃の国」が勉強会を開きました。

滋賀県で、改革派の知事を当選させ、さらに県議会議員をも保守派の過半数割れに追い込んだ市民団体の行動を学ぼうというものです。


嘉田・滋賀県知事誕生に導いた「対話の会」代表の寺川氏が講師です。

民放のサンデープロジェクトで製作したドキュメントで推移を把握した後、対話の会の活動と知事選・県議選の要点が説明されました。


行動に裏打ちされた、よく練られた戦術があってこその快挙だと、あらためて感服させられました。

すばらしい候補と優れた軍師の組み合わせが、他に類を見ない改革派知事と県議のセットで県政改革を成し遂げたのだと思います。


会場は満席で、当初用意された席では足らないほどの盛況です。

資料が不足してしまったのは、学習会の運営上は落ち度でした。


また、多方面の組織、会派に呼びかけた『新しい信濃の国』としての勉強会だったはずが、なぜか長野県議会の会派「あおぞら」と共催になっていたのには違和感を強く持ちました。

配られた資料にも、新しい信濃の国の事には触れていない、あおぞら所属の県議単独の活動報告が添えられていて、等しく多くの政治会派が集うにしては、偏りが生じていたと思います。

同じく、長野県議会のトライアル信州の県議も参加されていましたが、活動報告を配るにしても学習会の資料とは別に本人が直接参加者に手渡ししていたのと、配慮の違いを感じました。


「田中前知事の残党の集まり」と揶揄する声がある中、市民の声を汲み取る地に根を張った地方政治組織として自立するためには、田中康夫の呪縛から解き放たれる必要があります。

自民党に籍を置きつつも政策協定が結べれば、誰とでも輪を広げていって成功した滋賀県の「対話の会」を見習うべきです。


新しい信濃の国の立て看板がお披露目されたものの、それ以上に目立つ「あおぞら」が看板の半分占めているようでは、まだ前途は多難だと感じました。