・立候補予定者の話を聞く会、締め

伊那毎日新聞

市民から候補者への要望

「市長選立候補予定者の話を聞く会」の締めは、会場から候補者への要望。

多かったのが市役所改革への要望です。

対応のまずさ、たらい回しにされた体験を赤裸々に語る市民に、報道のカメラが集まりました。


市役所の職員と言えば、読者から多大な関心が寄せられている「北沢候補と市職労が交わした約束」があります。


三候補に向けられた「市職員にも聖域なき財政改革を適用できるのか」の問いに、

杉本候補が「市職員は御用聞き、職員のスリム化」と応え、

林候補が「(削減に加え)職員の資質向上、地域担当制を導入し直に市民の声を聞く」と述べた。

一方、職員との密約がある北沢候補は、ノーコメント・・・。

全体を通しての印象

候補者の話を聞いて、率直な感想は、政策の具体性では林候補が優位に立ち、次いで杉本候補。

北沢候補は余裕の表れか市民が求める政策に疎い一面を見せてしまったと思います。


北沢候補は冒頭の自己PRで、求められた政治家としての資質の表現に気が付かず、自分が高校時代から歴任してきた「役職」の紹介に徹してしまった。

また、自身の決起集会で中原市長に「後を継いでくれる新たな市長にふさわしい人物に成長している北沢さんに市政を任せよう」と激励されたこともあり、市民が求める市政の転換には消極的なことが強く印象に残った。


杉本候補と林候補は、改革への意気込みでは林候補に軍配が上がるものの、両者ともに中原市政からの転換を目指している点では共通する。


林候補が具体的に現市政の問題点を指摘し、財政の改革ポイントを明確にした上で財源を提示したことに対しては高い評価を与えられます。

実現性に乏しい「口約」でなく、具体的で実行可能な行政改革策が示された「公約」である点が、会場の市民にも訴えが届いたのではないかと思います。


杉本候補は、気持ちが先行して市民の求めに応じられる余裕が感じられなかった。

政策をアピールするには、市民のニーズを的確に掴み、ニーズに応えるための裏づけを勉強してから政策を考える必要がある。

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さて、翌11日にも市長候補の討論会(演説会?)が予定されていましたが、この10日の話を聞く会の翌日ですから、ノーコメントの北沢候補がおいそれと顔を出すわけには行かなかったと見られます。

状況証拠から判断すると、北沢候補がキャンセルしたことが原因で討論会そのものが中止に追い込まれたと目されています。

北沢候補と市職労の密約が市民に知れ渡ったなら、20日の投票日には市民の意識改革が形となって現われる可能性が出てきました。