・アンケートを無視した教育委員会

駒ヶ根市の学校給食で提供されている牛乳は、地元のJA上伊那が製造している「すずらん牛乳」です。

地元の牛乳であること以上に、美味しくて、子供たちにも絶大な支持を得ていました。


ところが、昨今の畜産飼料の値上げに伴って、牛乳の提供価格が値上がりすることになりました。

牛乳の値上げはすずらん牛乳に限ったことではありませんが、もともと市販の牛乳よりも若干高い値段設定で、差額を市と保護者が負担していました。


そこで、駒ヶ根市教育委員会は児童の保護者にアンケートを取り、その結果をもとにしてすずらん牛乳の採用を中止する決定をしてしました。

  • すずらん牛乳の継続を望む 43%
  • 他の牛乳でよい 36%
  • どちらでも良い 21%

あれ? すずらん牛乳の継続の声の方が多いのに、何で止めてしまうんだろう。

寄せられた意見の中でも、「地元産のおいしいすずらん牛乳を是非継続してほしい」が622人あります。

次に多かった意見の「給食費の負担増を考えると無理」の145人を大きく引き離しています。


10円値上げされて、これまで通り半額を市が、残りを保護者の負担とすると、家庭の負担増は約1000円。

実際は他の牛乳との差額分になると思いますから、さらに安くなります。

目くじら立てる金額だとは思えません。


教育委員会の決定理由、

地元の牛乳であり是非続けてほしいという強い思いはあるが、牛乳以外の食材の値上げも予想される中、保護者の負担増を考えると非常に残念なことではありますが、すずらん牛乳を断念し長野県が決定した業者からの供給を受けることにする。
というのは説得力を持ちません。


この決定を見て思い出したのが、大失敗した市町村合併

珍市名「中央アルプス市」を住民の意向を無視して強引に決定したために合併そのものが白紙に戻ってしまった、駒ヶ根の恥ずかしい歴史です。

住民の意向を無視して、一部の関係者が勝手な判断をすることが無益な結果を生むことを過去の歴史に学んでいない。

ちなみに、「駒ケ根市」 1,217 、「伊南市」 606、「中央アルプス市 」501 の順でした。


今回のすずらん牛乳のアンケートは、継続を望むとどちらでもないを合わせると64%で、全体の2/3と大半を占める。

継続に反対する声は少数と捉えるのが一般的な考え方だと思います。


すずらん牛乳は過去にも「安い牛乳」に取って代わられたことがありました。

しかし、味の違いに驚愕した保護者の声で、たった3ヶ月で復活したのが平成13年の出来事です。

⇒ 感動の復活劇! 「すずらん牛乳」学校給食に再び 子どもたちも「やっぱこれだよ!」


「県が決定した事業者」に替える事を望む声が、関係者の中に強かった理由は何でしょうか。

アンケート結果と相反する今回の結果は、地産地消を進める流れにも逆行します。

教育委員会の再考を期待します。