・スポーツマンシップに反する五輪選考

決勝で谷に払い腰をかけ苦しめる山岸(右) サンスポ.COM昨夜、なんとなくテレビをつけたら北京五輪代表最終選考会を兼ねた全日本柔道体重別選手権がやっていました。

録画編集なので、小気味好く試合が次々と紹介されました。


注目は、男子100キロ超級で井上康生の復活と女子48キロ級で谷亮子

井上は順調に勝ちあがり、決勝でも一本で鮮やかに優勝を決めました。

一方の谷は決勝で不覚を取り準優勝どまり。


さて、ここからが日本の五輪選考の不可解なところで、「五輪代表最終選考会」でありながら、優勝しても五輪代表になれません。

なんと女子は代表5人が優勝者以外から選出されるという珍事に。

何のための最終選考会なのか理解に苦しみます。


優勝しても代表になれない選手は将来に希望が持てないし、負けても代表になれる見込みの選手は勝つ意気込みが初めから薄くなってしまう。

過去の実績よりも直前の結果を重んじたのは、五輪4連覇がかかる野村を落選させた男子60キロ級くらいのものでした。

谷に結果として敗れた山岸絵美は2月のドイツ国際で優勝するなど実績は十分なのだが、谷という名前には勝たせてもらえないらしい。

これだけの実績をもち、最終選考会で優勝しても「名前で谷」を覆せないのは、日本の「話し合い選考」の悪弊のような気がします。

女子では6人中5人が優勝者以外から代表が選ばれたことは、この傾向を特に象徴しています。


他のスポーツでもマラソンで揉めたことがありました。

強いものが五輪に行けるわけではなく、五輪で勝てると「協会が判断した者」でないと資格が与えられない。

世界記録を持っていても、選考会で負けると五輪に行かせないアメリカ陸上のシステムの方がスポーツマンシップに則っていると思います。