・映画靖国に政治介入で上映危機

靖国 YASUKUNI靖国 YASUKUNI」

映画を見たわけではないので内容には深く突っ込みませんが、言論の自由への政治介入がはなはだしいので気になります。

その最たるのが↓

          ◇               ◇

映画「靖国 YASUKUNI」の中心的出演者で刀匠の刈谷直治さん(90)夫妻=高知県在住=から有村治子参院議員(自民、比例)が事情を聴き「刈谷さんらは出演シーンの削除を希望している」と主張していることが分かった。李纓監督(44)は9日、共同通信のインタビューで「出演を納得してくれていた夫妻を変心させた。許せない介入だ」と訴えた。
 映画は「靖国刀」を作り続ける刈谷さんの姿と靖国神社をめぐる動きを描いたドキュメンタリーで、上映中止が相次いだ。シーンの削除になれば作品の成立自体を左右しそうだ。
 有村議員は9日夜「(監督の主張を)刈谷さんに電話で確かめたが、わたしの話で気持ちが変わったことはないということだった。監督の話は事実無根だ」と反論した。
 有村議員によると、「刈谷さんが困惑している」との情報があったため、3月25日、刈谷さん夫妻と電話で話し、削除希望を聞いたという。
 これに対し李監督は「(削除希望は)信じられない。どうして政治家がそこまで介入するのか」と反発している。 =2008年4月10日 西日本新聞

          ◇               ◇

靖国を崇拝する政治家が、政治圧力で言論を封じようとする今回の行為は断じて許すわけにはいきません。

映画の内容が公序良俗に反するのならばまだしも、ベルリン国際映画祭をはじめ世界各地の映画祭で大反響を呼んだ作品に対してはあってはならないはず。


ジャーナリストの広河隆一さんのコメントが的を射ている。

「政治家は自分たちが何を守るべきなかということを勘違いしている。憲法生存権を守るためには知る権利が必要で、政治家は知る権利を守るために動かなければならないのに、制限するために動くのはおごり。自分たちに不利な情報を隠すことができると考えることは大間違いだ。」


チベット抑圧で情報統制を敷いている中国と同じことをしているとの意識はあるのだろうか。

言論の自由は守られた上で、異論に耳を傾け、相互に理解しながら優越を争うのが本筋だと思います。