・高齢運転者に技能試験義務付けを

夫が妻をひく事故が起きたスーパー前の駐車場。右は夫が運転していた乗用車=長野県茅野市塚原で06年12月8日高齢者ドライバーによる運転ミスが重大事故を引き起こしています。

長野県内では2006年12月に、79歳の夫が妻を運転ミスでひき殺してしまっています。

昨日も、歩道にいた親子4人が死傷する事故を75歳の高齢ドライバーが起こしました。

1日午後5時5分ごろ、岡山県倉敷市児島下の町の市道交差点で、歩道にいた家族4人に乗用車が突っ込んだ。この事故で、近くに住む会社員横田健一さん(36)の次女で保育園児瑠菜ちゃん(5つ)が死亡。横田さんが全身打撲の重体で、妻佳代さん(36)と長女の小学2年麻鈴ちゃん(7つ)が軽傷を負った。
 県警児島署は運転していた同所、会社員雨嶋正数容疑者(75)を自動車運転過失傷害の現行犯で逮捕した。同容疑者は「交差点で車列の後ろに止まろうとした」などと供述しているという。
 同署は、雨嶋容疑者がアクセルとブレーキを踏み間違えたとみて、容疑を過失致死傷に切り替え、詳しい状況を調べている。=5月1日 時事通信

運転免許は、「視力」だけ適確なら手続きをするだけで一生更新できます。

しかし、運転は静止視力でするものではなく、動体視力と反射神経でが求められます。

高齢化に伴い、すべての人にこれらの能力の衰退がおとずれます。


高齢ドライバーによる交通事故は、運転能力の衰えが主な原因のようです。

警察では、高齢者を対象にした運転講習も行われていますが、運転技能が低下していても運転免許は更新されます。

さらに怖いのは、認知症になっても運転免許が認められてしまうことです。


これら、自動車を運転する資格を失ったドライバーが動かす自動車は「凶器」でしかありません。

「自動車がないと不便だから」。

理由はもっともですが、自動車を運転する適格が満たされなければ、権利の主張は認められません。

年齢の節目で、運転免許更新の際に運転技能を再検査する技能試験の義務付けが必要です。


自動車は、年間に数千人を殺す「殺人機械」ですが、社会の必要性(主に経済界の要望)から、免罪符が与えられています。

高度な安全を求められる航空機や鉄道で年間に数千人の死者が出たら、歴史に残る大惨事として扱われます。

自動車産業と道路事業が金を生み出す構図から、数千人の死者は黙認できる犠牲とされているのが現状です。


道路特定財源の扱いを見ても明らかなように、車と道は国民の生活や命よりも国にとって大事な存在なんです。

車がなければ生活できない田舎に暮らしているからこそ、車社会のゆがんだ構図に頭が痛い。