・支部組織が崩壊を始めた自民党

自民党本部 =ウィキペディア=自民党の選挙を支えてきた組織が音を立てて崩れ始めています。

かつて、自民党最大の集票マシーンとして機能した全国郵便局長会(旧全国特定郵便局長会)が、郵政民営化反対の国民新党を介して民主党の支援組織として名乗りを上げました。

大規模組織は利権が絡んで政権との距離感を保とうと、あっちについたりこっちについたりしますから時代が移れば供として歩む政党が変わります。


しかし、利権との絡みのない個人を主体とした政党の支援組織が解体するとなると、話は別です。

自民党の地方支部で、党の政策が国民生活とかけ離れているとして支部の解散に踏み切ったところが出てきました。


埼玉県松伏町自民党員で構成される自民党松伏支部は5日、支部大会を開き、同支部の松井正雄幹事長が提出した「自民党松伏支部解散決議」を出席者全員の賛成により可決した。この結果、松伏支部は解散、59人全員が自民党を離党する。支部大会には、17人が出席し、31人が委任状を提出していた。

 同支部長の高橋昭男氏(松伏町議会議員)に話を聞くと、松伏町を選挙区とする三ッ林隆志衆議院議員支部との関係に問題があったことを認める一方で、「年金問題、医療制度、天下り問題など、いまの自民党の政策は、国民生活と大きくかけ離れていて不信感がある。私たち下部組織の声にも、耳をかさない。中央組織は、もっとしっかりするべきだ」と語った。

詳しくは⇒自民党の政策は「党員として胸をはれない」と支部が解散 ザ・選挙


自民党政治が足元から崩れ始めたことで、福田政権の政策に大きな変化が訪れるはずです。

年金記録問題で、社保庁のコンピューター内の記録と、8億5000万件の手書き台帳との全件照合に関し、10年度から始める方針を明らかにしたのもそのひとつ。

社会保険庁の後継組織、日本年金機構をめぐって自民党の議員多数が「社保庁時代に懲戒処分を受けた職員は機構に採用しない」と強硬姿勢を示しこともそうでしょう。


何年も前から民主党が指摘してきたけれども、自民党がやる気を見せなかったために官僚たちが安堵して怠けていた事柄が、尻に火がついた自民党が国民に背を向けたままでは負けが見えてきたとみえて、貪欲に自分たちの政策にすりかえはじめた。

最近のマスコミに登場する自民党議員たちを見ていると、民主党の政策を盗んで自分たちの手柄にした上で民主党の弱点をつく、卑怯な戦術に出てきたことは否めません。

受けて立つ『政権与党』の立場からではなく、政権からずり落ちまいとするがために「次期政権与党」の民主党を攻撃する『政権野党』としてなりふりかまわぬ状態と化してきました。


支部組織が崩壊し、政権与党として責任ある政策も示せなくなった自民党が、壊滅の道を歩む確率は高いと思いますが、なんせ自民党です。

窮鼠猫を噛む。

「小泉旋風をもう一度」とばかりに、国民の税金を使って国民を洗脳する背信行為を繰り返して起死回生を狙うことも考えられます。


埼玉県松伏支部のように、自民党の支持者であることが恥であると気が付いた人は救われますが、最後まで自民党とともに落ちてゆく自分に気が付かない哀れな『自民党信者』は、奈落の底まで付き合ったらいいと思います。

ただし、家族や周囲の人まで『自民党末期教』に入信させるようなことはしないでもらいたいですね。