・大分教員汚職、親族家族に真犯人

収賄容疑で逮捕される大分県教委ナンバー2の富松哲博教育審議監 大分県の教員採用汚職事件で県教委から不正合格とされた教員は20人。

本年度に限っているところが、腐敗した大分県教育委員会らしい対応ですね。

法的に時効が認められているなら別ですが、確たる証拠が得られないからというのでは、関係者の怠慢でしかありません。


不正採用された教員も、潔く退職するのは14人にとどまる。

臨時雇用の道も残されていますが、投げやりになっている人もいるようです。

同県中部の小学校の男性教員(20代)は西日本新聞の取材に「今は人間が信じられない」とも語った。


この20代の男性教員は、新学期になってから学校に通っていない。ただ「自主退職するつもりはない」。
男性教員によると、8月30日に呼び出され、県教委担当者から「不正があった。合格取り消しです」と告げられ、とにかく驚いた。「県教委の責任について明確にされず、謝罪の言葉もなかった。許せないと思った」と振り返る。
 5日の期限になれば、採用取り消し処分になるが、臨時講師の道も残されている。だが、男性教員は「腐りきった大分県の教育界が変わるまで、もうかかわりたくない。取り消しするなら、すればいい。臨時講師にもならない」と話した。 =西日本新聞 9月4日=
さらに同紙の伝えるところによると、

一連の事件を受けて、不正の実態を調べた県教委のプロジェクトチームの調査報告書に、口利きを依頼した者についての詳細な記述はない。このため、県内自治体の教育担当者は「もし親が口利き依頼をしていても、決して子には伝えないだろう。子は親を一生疑うことになる。今回の県教委の対応は、親子のきずなにまで傷を付けたのではないか」と批判した。
最も罪を問われなければならない不正採用を依頼した悪人が明らかにならずに、受動的に不正採用された教員だけが罪をかぶることになってしまっている。

この罪人が家族であり、親族であることがこの事件の不幸な点の一つです。

しかしもっとも不幸なのは、何の落ち度もないのに教育環境を貶められた子どもたち。


たまたま大分県の小中学校の分だけが顕在化しましたが、高校教員を含めて、どこの県でも似たような不正が横行していると専門家は指摘します。

不正を働いた教育委員会が全国各地に少なからずあることで、これからの教育問題の解決に暗雲が立ち込めます。

腐敗した体質を刷新するためには、罪を認めてやり直すことが求められていますが、全国どこの教育委員会も不正を隠蔽することだけに勢力を注いで懺悔する気配は微塵もうかがえません。


一国の最高指導者が責任を全うせずに投げ出すような無責任がはびこった日本ですから、教育者が聖職者であると信ずる楽観論者も小数になってきたと思います。

しかし、このような状況が子どもたちに与える悪影響は甚大です。

不正や腐敗が蔓延する中で育った子どもたちが、正義や倫理をないがしろにすることに無頓着になるのは見えています。


権力者(教育委員会もそのひとつ)たちが腐敗した今の世の中を改めるには、政治権力の構造を抜本的に変えるしかない。

それができるのは、選挙権を有する日本国民以外の何者でもない。