・外は賑やか内は混乱の自民党政府

自民党の総裁選が百花繚乱で華々しいが、対する民主党は小沢代表の再選が決まり、自民党からは批判の声が聞かれましたが、それも今日限りとなるでしょう。

連立を組む公明党の太田代表が再選するからです。

これでもなお民主党代表選挙が行われないことだけを取り上げて自民党が批判し続ければ、政府による言いがかりとなってしまう。


そもそも、自民党は他党に言いがかりをつけていられるような状況ではなくなってきているはず。

事務所費疑惑の太田大臣が治める農水省は、ずさんな検査体制の不備をつかれて汚染された事故米を全国にばら撒かせてしまった。

不正転売した三笠フーズが諸悪の根源ですが、これを野放しにした責任は農水省にある。

それなのに太田大臣は、契約違反として販売した際の差額に30%のペナルティーを上乗せした額を同社に請求する方針を示した。

農水省が被害者であると国民に訴えかける演出で、所轄官庁としての責任追及の矛先をかわす狙いがある。


さらに、自民党にとって痛手となるのが社会保険庁の年金改ざん事件。

社保庁の職員による改ざんですから政府の責任が問われる。

厚生年金では、入力ミスによる年金の目減りも深刻です。

入力ミスは、厚生年金のコンピューター上の記録と原本に当たる紙台帳を照合する約2万件のサンプル調査で、現役の加入者も含め277人に見つかっていた。

ミスの割合を約4億件ある厚生年金の紙台帳全体の記録に当てはめると、560万件に相当する。


派手な総裁選の演出で国民の目を逸らしていますが、政府が抱える問題は山積している。

それなのに、福田首相は気が向いた時以外は記者のぶら下がり会見を拒否している。

まことに無政府状態となっていることこそが、自民党政権担当能力の欠如を示している。

だからこそ、これら全てを覆い隠そうと5人の総裁候補者が全国を動き回って、衆院選の便乗選挙運動をも兼ねて国民の関心を一生懸命に逸らせる。


政権与党がこれですから、政治不信がさらに深刻になって投票率が下がれば、公明党の組織票頼みの自民党を利することになる。

どこまでもうまくできた筋書きですね。