・ノーマルタイヤで雪道は自殺行為

イメージ画像新聞の社会面の片隅に「滑る車と石垣に挟まれて男性死亡」の記事がありました。

10日午後4時ごろ、軽井沢町町道で東京都港区の男性が、雪に滑って後進する自分の車と石垣の間に挟まれる事故がおきました。

男性は病院に運ばれましたが一時間後に亡くなったそうです。


圧雪状態の坂道を登っていてスリップし後方に滑り出したために、同乗の妻と一緒に車を降りて止めようとしたという。

運転席の窓枠をつかんでいたが車と石垣の間に挟まれ、車輪が側溝にはまったために身動きが取れなくなったようです。

男性は妻と子どもをつれて町内の会社の保養所に向かう途中だったと報じられています。

男性の車はノーマルタイヤを履いていた。


信州に来て間もない頃、まったく同じ経験をしたことがありました。

広域農道を宮田村から来て大田切の橋を渡った先に、ちょっとした坂道があります。

ノーマルタイヤのワゴン車(FR)に乗っていたんですが、坂の途中で渋滞に遭って停車しました。

路面はシャーベット上の雪だったのでノーマルでも何とか走れたのですが、渋滞が長引いている間に気温が低下して路面が凍結してしまいました。


じりじりと後ずさりを始める車に成す術もありません。

車内から滑り止めに使えそうなモノを見つけ出して路面とタイヤの間に挟み、何とか後進を喰いとめましたが、今から思えば軽井沢の事故と同じ惨劇に見舞われていたかも知れません。

側溝に落ちそうになった車を助手席側の窓枠をつかんで押し戻したのですから・・・。


寒冷地の路面状態は突然姿を豹変することがあります。

都会から来た人の想像をはるかに凌ぎます。

雪が降ったらチェーンをつければいいと思っていた、その当時のわたしもまったくの認識不足でした。


わたしの場合は運良く、その場でチェーンを仮装着して坂を上りきり、空き地でしっかりとチェーンを付け直して事なきを得ました。

しかし、周りの車、特に後方にいた車には多大な迷惑を掛けました。


信州に都会から来る人の多くはノーマルタイヤです。

都会から来た人が「ほかの車がチェーンを履いていないから」と勘違いするのは、地元の車はほとんどがスタッドレスタイヤを履いているからかもしれません。

何とかなるかもしれないとの思い込みが危険な事故を引き起こします。


都会から雪国に行楽で出かける人は、雪道を甘く見ないでもらいたいと思います。