・マスコミと国民が試される国策捜査

神妙な表情で代表続投に至った経過を説明する民主党の小沢代表 =東京・永田町の民主党本部で2009年3月24日 毎日新聞より=民主党の小沢代表が続投する意思を固めましたね。

進むも引くも地獄と比ゆされるほど、厳しい状況に置かれていると思います。

小沢代表側に非があるから、(秘書が)司法の裁きを受けることになったのであって、潔白だと主張できるほど清廉な状態ではない。


しかし、異例の検察による記者会見で明かされたように「事案の重大さ」において、西松建設の裏金事件で小沢代表の秘書の容疑よりも悪質で疑いが濃厚な容疑者は、他にもたくさんいると思われる。

長野県には、裏金で当選した村井知事がいるではないか。

彼は秘書の死亡で難を逃れた形になっていることからも、凶悪犯罪の容疑で真っ先に捜査し、すぐにでも逮捕するべき対象だと思う。


どう考えても、優先順位のつけ方が間違っているとしか思えない。

間違っているのではなく、恣意的に小沢つぶしを狙ったと考えれば、『妥当な捜査』(政権与党としては)ということになる。

さらに悪質なのは、検察の思惑に乗じて世論の誘導に大きな影響力を行使したマスコミの報道姿勢です。


信毎の社会面に長野市の主婦の受け止め方が掲載されていた。

 「東京地検が動いたのは相当の確証があったからだと思うし、報道を通じて献金の流れを見れば(秘書は)クロではないか」

まさに、報道によって洗脳された普通の市民の姿がここにある。


読売や産経の偏向記事は改めて言うまでも無く、自民党広報紙として立派に機能した。

地方紙もジャーナリストとしての権力批判は鳴りを潜め、世論の反響を狙って検察のリークする意図的な情報を垂れ流しで報道した。

身近な信毎をみれば、その混乱ぶりが良く現れている。

今朝の朝刊には、一面や社説では社主の自民党議員に配慮して小沢をたたくが、5面の総合面ではジャーナリストとしての良識を垣間見せて捜査の不公正さを指摘している。


今回の事件では日本国民の見識が試されている。

国民支配をつづけたい自民党や官僚による民主党つぶしに西松事件を利用した国策捜査を見抜けるか、彼らの情報操作に乗せられてマスコミの垂れ流し報道を鵜呑みにするか。

自民党の利権政治が国民を食い物にして太り続けるためには、民主党の存在は邪魔なだけだ。

国民からすれば、民主党が挫折して自民党利権政治に食い物にされ続けるのは避けなければならない。

しかし、国民の目が曇っていては先を見通して正義はどこにあるのかを見極められない。


自民党広報紙ではないと自認するマスコミは、今、迷っていると思います。

国民が真実を知ろうとする意思を強く表せば、それに応えて権力批判に打って出られるが、国民がそれを望まずに自民党や官僚の策略に乗せられてしまうようでは、お客様としてそれに呼応せざるを得ない。

やはり主権在民であって、マスコミを国民に向けるのも私たち一人一人の良識にかかっているのだと思います。