・選挙で得るものと失うもの

民主党の対抗馬で劣勢が確定的となりつつある陣営で、お金が動き始めている様子を昨日はお伝えしましたが、関連する噂が後を絶ちません。

民主党の運動員が地域で支援を呼び掛けていると、例えば近所の自民党支持者に「民主党をよろしくお願いします。」と話を持っていくと、『民主党はいくらくれるんだ?』と、信じられない答えが返ってきたと話していました。

ブラックジョークだと思いたいのですが、生々しい証言には信じるに値する重みがあります。


昔からの選挙通に言わせると、選挙活動をしてくれた支援者に折詰をお持ち帰りいただくのは、昔だったら当たり前だそうです。

中心的な活動家には、菓子折りの底に時代劇さながらに分厚い封筒が差し込まれていたといいます。

実弾攻撃というやつですね。


さて、今回の選挙で実弾が飛び交うとは、マスコミも警察もにわかには信じられない様子です。

だって、絶対に漏れるし、選挙に負けたらただの人なのでだれも守ってくれないから、落選に加えて立候補する資格をも失ってしまいます。

あまりにもリスクが高すぎる。


そのリスクに敢えて挑もうとするのは、良識ある選対の取るべき戦術だとは思えないので、支持者の勇み足だと思うしかないでしょう。

選挙事務所でちょっと選挙活動をしてくれば、弁当と小遣いが貰えるといったおいしい話は、口コミで広まることは避けられないからです。


前々回の駒ヶ根市長選挙でも、中原選挙事務所に行くとおいしいお弁当が食べられると評判でした。

合法的にやっていることだと思いますが、非合法である可能性も極めて高いので、駒ヶ根警察が見て見ぬふりをしていたとも考えられます。

違法行為があっても、警察が取り締まる意欲を強く持たなければ逮捕には至らないからです。


前回の駒ヶ根市長選挙では、市職労と密約を交わした前市長の後継候補が警察に通報されて動きが取れなくなってしまった。

ところが、そのおかげで当選した杉本市長は、こともあろうに同じ過ちを犯してしまったという。

違うのは証拠になる文章を残さない狡猾さを備えているというところくらいです。


選挙に勝てるのならば政治家としての誇りも、魂も捨て去ることができる潔さが杉本幸治という人物を市長に当選させてしまった。

逆に言えば、そこまでしなければ市長のイスを手に入れることができなかったということです。

だからこそ、市長になってもリーダーシップが発揮できずに、後援会の言いなり、すなわち操り吊り人形市長を演じさせられているだけの哀れな存在です。

選挙とは、人の運命を大きく変えるが、人の心や信条も捨て去るほどに魅力があるようです。