・松本空港の廃止が決定的に

松本空港の廃止が時間の問題となってきたようです。

同空港に唯一就航している日本航空が長野県に対して、来年6月以降に撤退すると正式に説明がありました。

撤退理由は「赤字路線」だからです。


離島などの他の交通手段では代替できない地域の空港施設は、赤字経営でも存在意義は少なからずあると思います。

しかし、乱立している日本国内の地方空港は、そもそも造ることが目的であって、利用は施設ができてから考える、的なところがあったといわれています。

専門家の指摘でも「不要な空港がいくつもある」のだそうです。


日本航空のみの就航で、立地条件が航空機の離発着に厳しい松本空港は、不利な条件が揃っています。

空港建設当時は、他に都心部への高速移動手段がなかったので、それなりに存在意義はあったと思われますが、今は特急の「あずさ」があり、ちょっと北へ移動すれば新幹線が通っている。

交通の不便な地域ではないので、無理して空港を存続させる必要はない。


それでも地元(長野県中部に限定)が空港を維持したいと主張するならば、松本広域連合として独立採算が理にかなっている。

専門家の指摘でも、不要な地方空港を存続させるには地元負担が適当とされている。

ここで注意が必要なのは、県単位ではないことだ。

県全体として空港が不可欠の施設であるとはだれも考えていないだろうから、長野県民の負担で空港の維持に資金を投じることは避けなければならない。

他に高速移動手段を持たない地域ではないのだから。


日本航空は民間企業だから採算が取れない路線を廃止するのは経営方針として当然だ。

しかし、採算が取れなくても国内の交通網整備のために就航せざるを得ない地域もある。

そこは国費を投じて支援すればいい。


松本空港は、国費や県費を投じてまで存続させなければならないほどに必要不可欠な空港ではない。

欲しいものが何でも国からばらまかれた自民党政治は終わったのだ。

選択と集中で国民の財産を効率良く運用する新たな政治が始まったことを念頭に置いて、地域エゴは慎む思慮深さを長野県民には持ってもらいたい。