・昭和伊南は伊那中央の補完でいい

2009/10/14 いなまい・ドットコム
『地域医療再生事業 上伊那医療圏選定される』 =2009/10/14 いなまい・ドットコム=

地域医療の課題を解決するため、長野県が策定する事業を実施する「地域医療再生事業」に、上伊那医療圏が選定された。
これは13日、長野県庁で開かれた県医療審議会で報告され、了承された。
県内で厳しい医療環境にある上伊那と上小の2医療圏が選ばれた。
審議会で示された計画によると、上伊那では伊那中央病院、昭和伊南総合病院、辰野総合病院の公立3病院で新たに「公立病院運営連携会議」を設立し、3病院の将来的な経営統合を見据えて、機能分担と連携のあり方を検討する。
伊那中央病院は、第3次救命救急センターを担う病院と位置づけ、現在ある「地域医療センター」を一部拡充するほか、5年のうちに救命救急センターへの指定を目指す。
昭和伊南総合病院は、「地域医療支援リハビリテーションセンター」を整備し、2次救急から回復期を担う病院に、辰野病院も2次救急から回復期を担う病院として体制を整備する方針。
機能再生を推進するため、電子カルテなどによる診療情報を共有する地域連携ネットワークも整備するとしている。
そのほか、伊那中央病院に「内視鏡レーニングセンター」を整備し、全国からトレーニング医師を受け入れ、医師不足の解消につなげたい―としている。
これらの事業は国から25億円の補助を受け、5ヶ年計画で実施される予定。

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県医療審議会の考え方は道理にかなっていると思う。

昭和伊南病院が位置する駒ヶ根市では、過去の栄光が忘れられずに「誇りある昭和伊南が伊那中央の補完病院になってしまう」などと、たわ言が言い続けられている。

南行政組合の議員の発言だが、存続の危機に直面しているという危機感が感じられない。


自治体が運営する病院は全国各地で経営難に陥っている。

自民党の失策が根本原因だが、これへの対処に乗り遅れた昭和伊南病院では赤字経営が止まる見込みがない。

抜本的な経営改善に取り組んではいるものの、赤字幅を縮小するのがやっとで黒字化の目途は付いていない。


地域医療の拠点は名実ともに伊那中央病院が担っている。

駒ケ根の過去の誇りなどは何の役にも立たない。

地域医療のなんたるかを考えるときに、「誇りある・・・」などと言っている議員こそが再建の阻害要因である。


「昭和伊南はどうなってもいいのか」というのもあったようだ。

昭和伊南がどうなろうと、上伊那地域の医療体制が盤石のものとなることが重要だ。

昭和伊南をどうにでもして、伊那中央や辰野と連携できるように知恵を出し合う時だろう。


病院の運営を再考するには、既得権益にすがる不徳の議員たちはご遠慮いただこう。

伊南の地方議員には、ろくでもないのがほとんどだから、これほど重要な案件を任せるわけにはいかない。

ここは県の医療審議会にお任せした方が得策だろう。