・校庭にミカン植えた容疑者だけ悪人か

最近気になるニュースがこれ ↓ 


小学校にミカン植えた男逮捕=130本、一部土地所有−宮崎県警
 宮崎県日向市の小学校のグラウンドにミカンの木を植え、使用できないようにしたとして、県警日向署は6日、威力業務妨害容疑で、同市幸脇の無職福田究容疑者(59)を逮捕した。同署によると、容疑は認めているものの、「登記がある。わたしの土地に植えて何が悪い」と話している。
 逮捕容疑は3月19日午後5時半〜同月22日午後7時ごろ、同市の日向市立幸脇小学校のグラウンドにミカンの木130本を植え、使用できない状態にして同校の業務を妨害した疑い。

児童の運動場を占拠した不法者だからけしからん。

その通りかもしれないが、引っかかるものがある。

逮捕された容疑者だけが100%悪いのか。


見方を変えてみよう。

自分の土地に果樹の苗木を植えたところ、無断で盗まれたとしたら窃盗罪のはずだ。

本来逮捕されるべきは、日向市教委の可能性があるのではないか。


報道では一方的に福田容疑者が悪者になっている。

過去の経緯もあって、「悪人」のレッテルが貼られているようだ。

宮崎県警日向署幹部は「これまでの福田容疑者の言動から、学校関係者を脅したり、被害届を取り下げさせたりする恐れがあった。子供たちの運動場を使えなくするなど、とんでもないことだ。厳しい対応が必要と考え、逮捕した」としている。


推定無罪の基本に立ち戻ると、今回の逮捕が正当なものだったのか疑問の余地があると思う。

なぜなら、件の土地の固定資産税を市が福田容疑者に課税していたからだ。

同市は近く土地の所有権を明確にするため民事訴訟を起こす意向のようだから、所有権が福田容疑者にあるとする判決が出る可能性が全くないわけではなさそうだ。

万が一、所有権が同市にないとなったら、今回の逮捕は不当にならないのだろうか。


この事件は、行政の不作為が根本にあるように思う。

学校に対して攻撃的な行為があったから社会からは悪人と決めつけられることになったが、やり方が違えば正反対の逮捕者が出ていたかもしれない。

85年もの長きにわたる日向市の不作為が一般市民を容疑者にしてしまったのではないだろうか。

児童の教育環境を破壊した行為は罰せられて当然だと思うが、逮捕者以外にも罰せられるべきものがいるような気がする。