・阿部守一の立候補表明に立ち会って

読者からの要望にお答えして、長野県知事選挙に立候補を表明した阿部守一氏と言葉を交わしてきました。

昨日、長野県庁で行われた出馬会見に出かけてきました。

駒ヶ根からだと長野市は遠いな〜。


会見場には報道陣がぎっしりと詰めかけて、民主党と連合長野が支援する候補者の政策に耳を傾けていました。

元高級官僚の肩書と民主党事業仕分けに携わった実績を強力な武器としてアピールする姿は、候補者の立ち位置が明確に現れていて分かりやすかった。

会見をすべて拝見した感想は、「落ち度のない模範解答」。

官僚経験がいかんなく発揮された優等生の作文でした。

副知事としては最適な人材だと太鼓判を押したいと思います。


政策は、よく目配りされており手落ちは見当たりません。

全体の抑揚を抑え、県政の課題を広く浅く捉え、差しさわりのない展望で無難に切りぬける。

見事な官僚としか言いようがない。


副知事時代との違いは、メガネの有無。

官僚イメージを払しょくするための演出でしょう。

体格は大きいのですが、それが威容として映らないのは根底にある政治理念が希薄だからではないかと感じました。


質問の機会があったので、リニア新幹線について村井県政が推し進めるBルートの方針を継承するのかと聞いてみました。

答えは『完璧な官僚答弁』で、はぐらかされてしまい、「Bルートからの方針転換の可能性は」と念を押しても、するりとかわされました。

噛み合わない国会答弁は、阿部氏のような優れた官僚が原稿を作成するからだということが実感できました。


長野県をふるさとにしたいという印象を持たせるために、かなり工夫を凝らしていました。

民主党との蜜月ぶりをアピールするための『県政の仕分け』というキャッチフレーズも、マスコミの関心を引くために周到に用意された印象がある。

連帯責任を問われている田中県政には、青山元出納長などに責任転嫁して自らの関与を薄める戦術に出ていた。

一方、連合長野が支えた村井県政にはエールを送り、継承者としての存在も演出されていた。


全体的な印象は、立候補マニュアルに掲載されてもおかしくないほどの素晴らしい出来栄え。

逆に言うと、違う誰かが演壇に立っていても違和感なく受け入れられる汎用性をもった会見内容だ。

副知事への立候補というならほとんどの県民に受け入れられるのではないだろうか。