・地球の害悪である私たち人類

「罰則多いと原油掘れない」 米の事故巡り石油連盟会長

 メキシコ湾の原油流出事故で、国際石油資本・英BPが200億ドル(約1兆8千億円)を出して被害補償のための基金を設立することについて、石油連盟の天坊昭彦会長は「政府が民間企業にペナルティーをかけてカネを払えということが頻発すると、恐ろしくて(原油の)井戸が掘れない」と述べた。採掘企業が負う責任の範囲には、上限を設けるべきだとの考えだ。

 21日の定例会見で話した。基金の創設はオバマ米大統領が要求し、BP側が受け入れた。オバマ大統領は金額は「上限ではない」と述べており、負担はさらに膨らむ可能性がある。天坊会長は「民間企業が負えるリスクには限りがある。保険をかけようとしたら、べらぼうに保険料が高くなる」と述べた =2010年6月22日 asahi.com

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地球の歴史が生みだした天然資源を我が物にして商売している石油メジャーのエゴが現れていると思う。

利益に相当するリスクを負うのは当然だろう。

リスクを負わずに利益だけよこせとする石油連盟の考え方は、化石燃料に対する人類に考え方が反映されていると思う。


石油や天然ガスを現代の私たち人類が利用してよいとする根拠はどこにあるのか。

使い尽くした後、後世に対する懺悔はどのようにして表すのだろうか。

未来を考えずに一時の栄華に浸ろうとするエゴイズムが今日の世界を支えているのだと思う。


だとしたら、私たちの暮らしは虚構の上に成り立っているのではないかと、疑問に思う必要を感じる。

化石燃料を浪費し、放射性廃棄物を作り出し、地球の環境に多大な影響を及ぼす今の私たちの生活は、地球上にあって「害悪」以外の何物でもない。

できる限り地球環境への負荷を軽減したライフスタイルに移行することが求められると思う。


その一つの考え方が、地球温暖化防止への取り組みだ。

だからこそ、温暖化防止の一翼を原子力発電に任せてはならない。

CO2の排出が削減できれば何をしても良いのではない。

人類に与えられたと錯覚している地球資源の使い方を根本的に考え直すことが求められているのだ。


これから夏になれば、クーラーの使用で都会はヒートアイランド化する。

暑さの負の連鎖がエネルギー消費量をどんどん増加させる。

都市構造の基本設計から根本的に見直さなくてはならない。


参院選で、責任ある日本の構造的方向転換を示している候補は皆無だ。

少なくとも長野県の候補には一人も見当たらない。

その理由は、県民の加害者意識が育っていないからだと思う。

地球に害を成す者の一人として各人が自覚することができれば、政治家も媚を売ることが求められ、政府の重要案件として取り上げられることになると思う。


循環しない地球資源の使用は害悪であるとの自覚が芽生える日が少しでも早く来ることを願ってやまない。