・模擬長野県知事選で松本氏当選

松本氏が”当選” 下諏訪向陽高で知事選模擬投票を開票


 下諏訪町の下諏訪向陽高校は8月31日、7月末に全校生徒約600人に呼び掛けて実施した県知事選挙模擬投票の開票を行った。得票数は松本猛氏133票、阿部守一氏93票、腰原愛正氏68票で、松本氏が”当選”。高校生ならではの「教育」を重要施策に挙げる声が多く、大人たちの選挙とは違った結果が出た。

 模擬投票は7月23、26日に行い、1年生は現代社会の授業、2、3年生は自主参加で1票を投じた。投票用紙には候補者氏名のほか、新知事に望む重要施策を9項目から二つ選んで書いた。

 投票率は48.9%。ただし授業の一環で投票した1年生の96.6%が数字を引き上げており、自由参加の2年生が26.4%、3年生は22.4%と関心は低かった模様だ。

 求める重要施策は、1、教育 2、高齢者福祉や医療 3、財政立て直し 4、産業の振興と雇用 5、子育て支援 6、観光のてこ入れ 7、公共投資の拡大 8、その他 9、特にない−の順で続いた。

 開票作業は、生徒会の選挙管理委員会の3年生10人が行った。「(重要施策に)なんで高齢者福祉がこんなに多いんだろう」「教育マジ見直したほうがいいよ」などと話しながら、票を仕分けた。

 結果が実際の選挙と異なったことについて、3年の杉山美沙さん(17)=岡谷市堀ノ内=は「大人と高校生では考えてることに違いがあるのかな」。模擬投票を担当した学校司書の松井正英さんは「松本氏が教育について訴えていたことが高校生の心をとらえたのでは」と推測した。

 卒業後就職するつもりだったが求人が少なく、進学に切り替えた−という3年の清水勇吾君(17)=茅野市金沢=は「雇用問題に取り組んでほしい。まじめに働く人がバカを見ない世の中にして」と新知事に注文。投票率の低さにも苦言を呈し、「高校生だから関係ないという考えは、無責任に感じる」と話した。 =2010-9-1長野日報

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純粋な目線で選ぶと、知事の適任者が異なるという結果は興味深い。

逆に、知事に当選した阿部氏が、誰に都合がよいから当選したのかという話になる。

目先の利益に飛び付く有権者に選ばれたのが阿部氏だとすれば、高校生が自分たちの未来の展望を託したいと思ったのが松本氏。


選挙は、政策や理念ではなく、目先のニンジンで決することがあるということの裏返しのような気がする。