・豊かな実りには、大きな代償がある

これからの国際社会にとって「水」の問題は極めて重要課題だと思います。

カンザス州を中心とする地域の地下には、「オガララ帯水層」といわれる巨大な地下水層があり4兆トン(琵琶湖150杯分)の水を湛えているとのことです。

これらは山地に降った雨水が数千年を掛けて蓄積されたものですが、戦後60年間に主として農業灌漑用に汲み上げた結果、最近では水位が下がり、一部では枯渇しているのが現状です。

 広大なアメリカの穀倉地帯も実際には有限な地下水によって支えられている、言い換えれば一見豊かな実りに対して地球は莫大な代償を払っていることになります。

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 熊本は阿蘇山系の伏流水によって水の豊富なところとして知られていますが、最近では市内の水前寺公園の池の水位が下がり問題となっています。

工場誘致で地元にやって来た企業も水の使用だけでなく、浄化して還元することに取り組んでいると聞きました。

ウオータークライシス(水危機)とかレインハーベスト(雨水の利用)といった言葉もだんだん話されるようになって来ました。

これからのキーワードは、勿論人口や食糧の問題もありますが、水の問題が益々重要性を増してくるものと思います。 =農業協同組合新聞 2010.08.05=

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見慣れない新聞の少し前の記事ですが、とても重要な示唆に富んでいます。

ウオータークライシスは、数年後には日本でも社会の共通認識になっていると思います。

地球温暖化の危機よりも差し迫った危機が水環境に起こっています。


一般の人が知らないのは、マスコミが取り上げないから。

マスコミが関心がないのは、グローバルな情報源を持っていないから。

日本は水ビジネスで、世界から大きく遅れています。


個々の技術では優れていても、総合的なプロデュース力で劣っている。

水メジャーが世界の水ビジネスを席巻しているのを、指をくわえて眺めている。

その一因が、生活水は自治体が責任を負うとの日本人の常識にある。


行政の業務が非効率なことは誰もが認めることなのに、浄水場下水処理場の運営は行政の専売特許と信じて疑わない。

水源から排水の末端まで、総合的に管理する技術力を磨かないと、世界の水ビジネスから遅れるばかりだ。

一部では、国を挙げて水ビジネスの遅れを取り戻そうとする動きはあるが、国民的な支持を得るまでには至っていない。


水ビジネスが持つ重要性をマスコミが痛感し、国民に真実を知らせる必要があると思う。

ローカルなマスコミものんきに構えていてはダメだよ。

信毎さん。