・身の回りに多発する放射能の恐怖に対して

東日本大震災の被災者は、いまだに生死の境をさまよっている人も少なくないというのに、プロ野球の経営者たちはソロバン勘定にご熱心だ。

計画停電で都民が生活苦を受け入れているときに、大量の電力を浪費する東京ドームでプロ野球の試合が開催されることに違和感がある。

果たしてどれほどの人数が観戦に訪れるのだろうか。


なんでも自粛すれば良いというものではないという意見がある一方、被災地のすぐ近くで、それも省エネが国策として叫ばれている地域で『お楽しみ』を強行する必要は無いのではないか。

国難よりも一企業(読売新聞社)やプロ野球機構(セントラルリーグ)の体制維持の方が大事だとの印象を多くの日本人は受けるだろう。

プロ野球の不人気に拍車をかけることになるでしょうね。


ところで、野菜や牛乳などの食品への放射能の影響が拡大しているようです。

暫定基準値を超えた農産物の出荷が停止される一方で、テレビでは国の補助金で研究している専門家が『どれほど食べても大丈夫』と、矛盾する情報を垂れ流しています。

安全なら流通させればいいし、危険なら食べるのを控えましょうと伝えてもらいたい。

国と専門家が国民の混乱に拍車をかけてしまっている。


安全基準というのは、物理的な安全指針であるとともに、人心を落ち着かせるための保険でもある。

実験室の生データをもって、「過去数十年の調査研究の結果、安全性が担保されている」と科学者が言い切っても、「基準値を決めたのもあなた方でしょ」と言われてしまえば矛盾に陥る。

風評被害の拡大を防ぐには、実態に合った基準を示して、「ここから下なら安全です」と分かりやすくするのが一番良いと思います。


放射線の『安全性?』を誇張するために誤用されているCTスキャンのリスクについてブログに書いたところ、お医者さんから「ご指摘の通りだと思います。」と、お墨付きをいただいた。

 政府や、一部のメディア露出度の高い先生が「100mSV以下の被ばくで発ガンリスクの上昇はない」と断定しているのを散見しますが、これはかなり緩い判断である事を知っておくと良いかと思います。
医療の世界では、最近CTレベルでの被ばく量でも、発癌リスクが問題になっており、メーカーも医師もそこを如何に低減するかという事を活発に議論しており。それに関する研究も盛んです。

CTの被ばく量というのは、撮影方法でかなり異なってきますが、最近は概ね3-20mSV程度が一般的です。

「100mSV以下は確実に安全」ならば、CT程度の被ばく料は元々議論されていませんね。
ちなみに、アメリカでは「CTによる被ばくで年間29000人が癌を発症している」なんていうショッキングな研究もあります。

実験室ではなく実際の医療現場で活躍されている医師の言葉は、素直にうなずけます。


我が家では出荷はしていませんが、農産物を自家消費するためにいろいろと作付けしています。

24時間、365日被ばくする可能性がある露地栽培の作物への放射能の影響が心配です。

基準値を超えた地域の放射線の濃度と自分の地域の濃度を比較して、相対的に判断するしかないのが現状のようです。


幸いなことに葉ものは畑に無いのですが、ねぎや玉ねぎの苗は野ざらし状態です。

小麦も雨にうたれている。

安全を確認するためには、「危険はありません」とまくし立てるだけの専門家の言葉を鵜呑みにするのではなく、『安全基準』を満たす状況がどのような環境によるのかを知り、自分が育てる作物を冷静に見極めることが大事だと思います。


これまでのところ、長野県が発表する放射線状況の推移や積算値をみると、『ただちに』危険な状況には無いと思われます。

出荷停止になった地域における放射線の状況がどの程度公開されるのかは分かりませんが、可能な限り情報を公開することで農家が個別に安全を確認する術が確保されます。

これから身の回りには、さまざまな危険要素が氾濫することになると思うので、安全の見極めに対する知見を身につけることは、安心な生活環境を確保する上でとても大切になると思います。

本日の発電量 7.2kwh

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