・野田新政権は原発復権

原発の安全を最高水準に 首相の国連会合演説案

 野田佳彦首相が22日にニューヨークの国連本部で開かれる「原発の安全性と核の安全保障に関するハイレベル会合」で行う演説案全容が18日、判明した。東京電力福島第1原発事故を受け「原発の安全性を最高水準に高める」と表明、同時に「安全でより信頼性の高い原子力エネルギーの確保は引き続き必要だ」と直ちに「脱原発依存」へ移行しない立場を明確にする。事故原因を徹底検証し、結果は国際社会への全面開示を約束する。
 また、原発設備へのテロ攻撃は深刻な事態をもたらすと指摘、核物質や原子力施設の防護・保全を図る核セキュリティーに取り組む決意を表明。 =09月19日 信濃毎日新聞

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野田政権が誰に媚を売っているのかがはっきりした。
次の衆院選挙で支援される電力業界と産業界だ。
国民の安全は脇に置いてでも、選挙に勝つことを優先した。

原発の安全性をこれから最高水準に高めるというのは、国民をバカにしているとしかいえない。
裏返せば、これまで最高よりも低い水準で「絶対安全」と言いつづけてきたことになる。
そもそも、原発に安全など存在するわけが無いのだ。

「安全」という表現を用いるものの多くが、実態は「危険」なのである。
危険性を少なくする、言い換えればリスクを小さくすることに可能な限りの努力をするというのが本来の言い方だろう。
しかし、危険を前提にすると国民から厳しい監視の目が注がれるので「安全」の表現でごまかしてしまうのだ。
これでごまかされる国民が多いから困る。

政治家が一番大事にしているのは「選挙に勝つ環境を整える」に尽きる。
政党も所属議員を増やすための政策に重点を置く。
この習性を国民がしっかりと理解すれば、原発を無くすことは難しくない。

原発を廃止しないと言っている議員を選挙で落とせばいいのだから。
原発利権で潤っている有権者は少数派だが、選挙には積極的に関わる。
一方で、原発をいらないと思っていていも選挙に行かない有権者は圧倒的に多数派だ。

このジレンマをいかにして解決するか。
鍵はマスコミが握っているが、電力業界に先手を打たれているので多数派が選挙に行かないように関心も高めようとしない。
世の中は金と力を持っているものが、都合の良いように政治も報道も操作しているのだ。