・電力消費量シミュレーション

リーフにとって過酷な状況は山岳ドライブだろう。
ドライバーにとっても航続可能距離が読めずに不安に襲われる。

日本で最も起伏が激しいであろう中央アルプス北アルプス越えのコースで電力消費量をシミュレーションしてみた。
始点は長野道の梓川SAで充電し、目的地は金沢の兼六園に設定した。(兼六園近くには充電スポット複数あり)

日産がリーフオーナーに提供しているカーウィングスでルート検索すると、下の画像のようになる。

上高地付近の沢渡駐車場と高山市内で急速充電すれば目的地に到達できる。
電池の消費は合計で15セグメントとされ、残量は最低でも4セグメントだから安心できるコース設定だろう。

しかし、何人乗って、荷物をどのくらい載せ、渋滞や設定スピードによって大きく変化するはずだが、影響を加味することができない。
さらに、始点の電池残量が「フル充電」かルート検索を利用している時点での電池残量に限られ、急速充電した後の状態が反映できないという欠点がある。

     ◇     ◇     ◇     ◇     ◇     ◇     ◇     ◇     ◇

そこで、自分のリーフに最適化したシミュレーションをエクセルで試みた。
その結果が下の画像です。


※画像ははめ込み合成

Yahooのルートラボを利用すると、獲得標高(正しくは累積標高)を測れる。
車速は高速を時速80km/h、一般道を50km/hで走るとした平均。(所要時間と距離で得る平均車速とは違う。)
積載はカーウィングスと同じく5人乗った時の重量とした。
渋滞はルートを通じてゴー&ストップの間隔を5kmとした。

シミュレーションの結果は、電力消費量23.9kwhで出た。
カーウィングスでは上高地付近で充電が必要とされるが、通過しても大丈夫のようだ。
電池残量の消費合計が15セグメントとなっているから、1セグメント当たりにすると1.6kWとなって妥当な範囲だろうと思う。

試しに高速を100kmh、渋滞でゴーストップ間隔1.5kmに変えると電力消費量は31kwhに跳ね上がる。
高山から金沢間で電力消費量が18.5kWhになってしまい、電池残量が不足すると予測される。
渋滞で時間を使ったからといってスピードを上げて取り戻そうとすると、それこそ「目的地まで到達できない可能性があります」になってしまうということだ。


kWh単位で電力消費量が判ると、充電ポイント間で区切ってシミュレーションすれば冬の走行でヒーターにどの程度電力を使う余力があるのかも判断できる。
他にも、設定車速を上げたり、混雑や渋滞を加味したり、実際の使い方に応じて電力消費量を予測できるから、「行ける」、「行けない」の判断が明確になる。
特に、急速充電すると多くの場合で充電量が表示されるから、対比することで走行への安心感が増す。

自分のリーフに合ったシミュレーションをやりたい方は、二次電池社会システム研究会のwebサイト(http://www.nijidenchi.org/active/)から
TOP >おもな活動内容>フォーラム>2010.02.22第5回フォーラム>5.EVの性能評価と沖縄県における走行シミュレーション
を参照して、エクセルに計算式を落とし込んでください。

効率や係数、回生率を変化させて自分のリーフに合わせる必要がありますが、カーウィングスの電気料金シミュレーションのデータと照合しながら修正していくと徐々に精度が上がってくると思います。
うちのリーフは一ヶ月分のデータしかありませんが、誤差は5%程度に収まるようになってきました。