リーフのバッテリー欠陥対策

このグラフは、うちのリーフに搭載されている走行用のリチウムイオンバッテリーの性能(Hx)を表しています。
劣化を示す右下がりは通勤など日常の短距離利用で顕著です。
再生を示す右上がりは、長距離ドライブで日常よりもバッテリーに負荷をかけた走り方で現れます。
リーフは明らかに走らせ方でバッテリー性能に違いが生じます。

※グラフはクリックで拡大

【漫然と長距離で再生していた期間】は、日常の劣化を月に一・二度出かける遠出で抑えつつも徐々に劣化が進んでいました。

【再生現象を意識して活用した期間】は、日常の使い方による劣化を回復させることを目的として遠出を繰り返しました。

【再生現象で性能向上期間】は、劣化を抑えるだけではなく本来の性能に向上させようと試行しています。

仮に、再生現象を発見することなく乗り続けていたら、グラフの右上がりがなくなることを意味するので、かなり早期に『セグ欠け』していたはずです。
再生現象を取り入れることで、セグ欠けは遅らせることができます。

一方で、劣化を止めるバッテリーの使い方も試行しています。
それが赤丸内です。
バッテリー残量が40%を越えない範囲で使っているとデーター上の劣化が止まります。
僅かでも超えるとガタッと下がります。

日常の走行距離は片道5kmの通勤や駅への送り迎えなので、40%の範囲で一日の利用に不自由はありません。
・日常は40%以上充電しないことで劣化を止める
・一ヶ月に一・二度は遠出して再生現象により性能を向上させる
この組み合わせで使えば、リーフのバッテリーが抱える欠陥を克服できると思います。

再生現象については、今のところでは確実な再現性が得られていません。
多様な要因が絡んで再生するようです。
現状では、長距離走行(50〜100kmくらい)の後に急速充電し、モーター負荷と回生充電を繰り返すとバッテリー容量が増加することがある、という程度です。

バッテリーが化学的に再生することは考えられないので、バッテリーセルの制御ソフトの特性によるものだと考えられます。
化学的な劣化はそれほどでもないのに、ソフトの欠陥によって使えるバッテリー容量が減ってしまっているのが実情だと推測しています。

今回紹介した欠陥の克服対策は、ソフトの欠陥への対応であって、化学的な劣化に対しては悪影響を及ぼす可能性があります。
どこで割り切るかですが、10万キロまでの期間ならソフトの欠陥に対応した乗り方の方が快適に使えるのでユーザーにとってメリットがあると考えています。