気温と電池温度と電費

EV乗りに春の到来は嬉しい。
暖かくなって電費が伸びてきました。

電費が良くなる理由を「電池温度が上がったから」と勘違いしているユーザーが少なからずいるでしょう。
リーフに限って言えば、電池温度は電費に影響しません。

電池温度が影響するのは充電速度と回生量です。
回生量の多少は電費に影響しますが、それは低温で回生が制限される状況に限られます。
回生の◎の範囲内で乗るなら電池温度は電費に影響しないと言い換えた方が正確かもしれません。

電費が良くなった要因はタイヤです。
特にブリジストンを履いているリーフは温度による影響が大きい傾向にあります。

ブリジストンのタイヤは他社に比較して温度低下による電費悪化が大きいようです。
カタログデーターは良くても、そこから外れると性能の低下が著しい。
気温が一桁の場合は、ブリジストンの低燃費タイヤよりもダンロップスタッドレスタイヤの方が電費が良くなります。

気温と路面温度が上昇するとタイヤの温度が上がり、転がり抵抗が減少します。
一例として平坦でなだらかな起伏の高速道路を時速90キロで走行した場合を比較します。
条件:タイヤEP150、二人乗車

気温 5℃ → 電費:8.3
気温25℃ → 電費:9.8
18%の向上です。

田舎の一般道を時速50キロで走行すると、さらに影響が大きく現れます。
気温 5℃ → 電費:9.4
気温25℃ → 電費:11.6
24%も向上します。

この傾向は燃費性能の低いタイヤほど大きくなりますから、基本性能が低いリーフ純正のEP150は気温の上昇を歓迎するタイヤです。

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ではなぜ電池温度が上がると電費が良くなったように感じるのか。
気温と路面温度が上がると電池が温められ、それと並行して電費も良くなるので関係があると錯覚してしまうようです。

電池温度はメーターで視認できるから電費向上と結びつけたくなりますが、タイヤの温度を知るには放射温度計が必要で、一般ユーザーは持ってませんから結びつけにくいですね。



※上記の比較はタイヤのみによる差ではありません。電費シミュレーターの空気抵抗計算では空気の比重を算入しているので、気温による比重の変化の影響が若干ですが含まれています。