・地名は歴史

昨年は台風や地震災害の当たり年だった。
中でも新潟県中越地震は多くの被害者を出して記憶に新しい。
この地域は台風でも大きな被害を受けていたので、二倍の苦しみになっている。


被災地域に「三島郡三島町」がある。
地元民でなければ正確に読めない難読地名のひとつとして有名な地域でもある。
読み方として正しいものは次のうちどれでしょう。

  1. みしまぐんみしままち
  2. さんとうぐんさんとうまち
  3. さんとうぐんみしままち


正解は後にさせていただいて、この地名の去就が決まりました。
日本全国で吹き荒れる合併の嵐に巻き込まれてこの珍地名が姿を消します。
隣接する長岡市に吸収合併されるからです。
全国的に知られた最後の機会が昨年の大災害だったことは皮肉ですね。
行政効率の向上の名の下に歴史ある地名が各地で消滅しています。
これは今に始まったことではなく、行政区の見直しのたびに繰り返されてきました。


駒ヶ根は昭和の合併で、赤穂+中沢+伊那(現東伊那)がひとつになってできましたが、
新市名は駒ケ岳(駒)の麓(根)にあることを示す的を射た名付けがされました。
また、旧地名もほとんどそのまま受け継がれ、
歴史の継承と新しいまちづくりがうまくミックスされています。


ところが、幻の中央アルプス市
地域の歴史や風土に敬意を示さない、自分本位の人々が行政を牛耳ろうとしたからでしょう。
地名の付け方を見ただけでも関係者の技量がはっきりとわかります。


さて、三島郡三島町
正解は、3.さんとうぐんみしままち
2005年3月で永眠ですが・・・。