・両候補の支持者の違い

先日、飯田市で開催された「脱ダムから緑のダム」シンポジウムは、政治的な思惑を排除した純粋に学術的なものだったのですが、結果としては田中氏の支持者が多く来ていたと思います。
しかし、この場で論議された内容は、長野県知事選挙の争点の枠を超越して、水を介在した人間と自然とのあり方を示唆する重要なものでした。


その会場で、一生懸命に録画をしている方が目に付きました。
閉会後に、パネラーの三名とご一緒に、夕食の機会に恵まれたのですが、録画していた方も来ていました。


名刺交換させていただくと、なんと山形県から来ていらっしゃる。
さらに驚いたことに、15万都市の市議会議員であるとのことです。(しかもトップ当選!)
何しにこんなところまで来たのかと尋ねたところ、
「田中知事に勝ってもらわなくては困るので、選挙応援に来ています」
と、驚きの連続です。

全国の地方自治体の改革を進めるためには、田中知事の改革路線を後退させてはならない。
田中候補が負けるようなことになったら、その影響は長野県にとどまらず、全国の都道府県にまで波及してしまう。
ましてや、旧態依然を地で行く村井候補に勝たせたら、日本の国益を損ねてしまう。


単なる田中信望者ではなく、長野県が取り組んでいる自治体改革を評価し、これが他の都道府県に好影響を与えていることを肌で感じているからこそ、遠路はるばる「勝手」に応援に来ているとのことでした。
日付が変った午前2時ごろまでお話させていただいたのですが、その後の行動がまたすごいんです。
朝7時から松本駅前で、プラカードを掲げてビラ配りをするので、休むまもなく車で出かけていきました。


市議の肩書きを使って、偉そうに活動している姿は微塵もなく、選挙期間中、車に寝泊りして支援活動に専念する姿に感服させられました。
シンポジウムに参加したのは、田中候補の応援と言うよりも、田中知事が取り組む「脱ダムの検証」を記録として取り溜めるための取材活動のようでした。
これほど理念が高く、活動的な市議会議員に会ったことはもちろんありませんし、他に類を見ないのではないかと思います。


一方、村井候補の支持者について残念な話を聞きました。
役目柄中学生と話をする機会が多いのですが、両親が市役所の職員である中学生の話を聞きました。
親と今回の選挙についても話をしたそうです。

子:お父さん達はどっちを応援しているの?
親:市役所に勤めてるから田中さんだと給料が減っちゃうだろ。だから仕方がないんだよ。


この子がかわいそうに思えましたが、これが現実の一部なんでしょうね。
県知事が田中氏だと市役所職員の給料が下がる理由が理解できませんが、理由なんかなくて「役人の敵_田中」的な感覚からきているのではないでしょうか。
職場が駒ヶ根市役所ですから、中原市長にしっかりマインドコントロールされてしまっている人のようです。
これは、一部の、特別の、ごく少数の、稀な例だと思いたい・・・。


作り話だと救われるんですが、実話だけに悲しい気持ちにさせられました。
極端な、両候補の支援者を紹介しましたが、今回の選挙を象徴していると思います。